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2007/01/15

潮風に誘われて冬の海サンマロへ。

   

カキで名高いカンカル。


サンマロの城壁。
   
 ある日突然、海を見たくなったら出かけよう。2005年より直通のTGVが開通して、サンマロはパリからぐんと近くなった。
 サンマロといえば、観光地で名高いモン・サンミッシェルへ行くついでに立ち寄る町というイメージもなきにしもあらずだが、モン・サンミッシェルにも決して劣らない魅力がある。夏のバカンスに訪れる海もいいが、おいしいシーフード、軒を連ねるクレープ店、水族館、タラソテラピーの大センターがあるサンマロは冬に訪ねても楽しいところだ。折しも暖冬気味のフランス。編集部の4人が元気に冬の週末のサンマロを訪れた。(里)
文・写真:渡辺公三、田中里絵、谷口貴子、ダン・ベロー
 

サンマロは海賊の町だった。
  モンパルナス駅からTGVで直通、サンマロはブルターニュ半島の付け根の町、1泊の旅にはぴったりだ。どこか優しく響く名のわりには、観光案内所のパンフ にも〈Saint-Malo:Cité Corsaire サンマロ—海賊の町〉とある。今時海賊?とも思うが、対岸のイギリスまで載った大きな地図を広げ、少し引いてみると、この町が英仏海峡から大西洋への出口 をおさえる要衝だったことがよく分かる。
 小回りのきく海賊船は、スペインやオランダやイギリスの大型船を襲い商品や財宝を略奪した。王も、普通なら縛り首の刑で厳しく取り締まっていた海賊行為 をサンマロの住民には公認した。この町は、大西洋を渡りアメリカ大陸やアジアをめざす冒険家も生んだ。コロンブスの初航海の前年、1491年に生まれ、カ ナダを「発見」したジャック・カルチエもそのひとり。郊外に残る彼が晩年を暮らした館は、案外質素な生活を偲ばせてくれるA。海に生き「新世界」を目指す 冒険家、「海賊」にはそんな意味がこめられているのだろう。








  19世紀前半、ロマン主義の先がけとなった作家シャトーブリアンも1768年サンマロに生まれた。旧市街の城門入ってすぐ右の、瀟洒な白いホテル 〈France et Chateaubriand〉玄関脇の建物がその生家だ。彼は殺伐とした革命をのがれてアメリカにわたり、インディアンたちの生活をつぶさに記録してもい る。死後、本人の遺志で、干潮の間浅瀬でつながるグラン・ベ島の崖の上に埋葬されているのも、いかにもロマン主義の作家らしい。ただ高級フィレステーキ、 シャトーブリアンの名付け親だというのがちょっと意外。





  旧市街をぐるりと囲む城壁や浅瀬でつながる岩の小島をおおう石の砦は、この町の歴史を象徴している。歴史博物館には近代漁業の発達でブルターニュ半島がカ ナダの豊かな漁場への基地となったことも示されている。町には海にちなむ素敵なオブジェを取り揃えた店もあって飽きない。一日歩いてすいたお腹は、城壁外 の街のレストランで出会った、シャトーブリアンならぬ、何と昆布の隠し味で新鮮な魚介がふんだんの最新のヌーベルキュイジーヌで満たされた。翌日の昼は、 スタンダードだがおいしい魚介を楽しませてくれる城壁下のレストラン、カキと舌平目で海に生きてきた町への旅をしめくくる。(公) 浅瀬への出口の城門には、「潮が満ちて帰れない場合は次の干潮まで待ってなさい」
という掲示がある。助けに来てはくれません。




〈Les Corbières〉ではsaint-pierre(マトウダイ)が美味だった。


〈Les Remparts〉

タラソテラピーで海の恵みを肌で感じた。
  サンマロのタラソテラピー施設「テルム・マラン」では、週末を利用して気軽にトライできるコースがある。3つのケア付の半日コース(88€)を予約して友 人と現地へ向かった。テルム・マランは城壁の外、海岸沿いにあるので、散歩がてら砂浜を歩いていく。併設するガラス張りの立派なレストランが目印だ。受付で各自のプログラムをもらい、更衣室へ。水着に着替え、貸与されたバスローブを羽織ってプログラムで指示された待合室へ。名前を呼ばれたらケア開始だ。
 まずは全身泥パック。個室に案内され、ローブも水着も脱いで台上へ。じわーっと温かい泥を背中、足、腕に塗られ、ラップされて仰向けに寝かされたまま放 置。室内には波音や鳥の声、音楽などが流れていい気持ち。泥は、白と緑の粘土2種と海藻のブレンド。血行を促し、肌を生き生きとさせる効用あり。20分経過後、惜しげもない大量の温かい海水で泥を一挙に落とす。これぞタラソ、贅沢の極み、という感じだ。
 
 次は植物性オイルでの全身マッサージ。台座に横たわった上から海水のシャワーがしたたって気持ちいい。仰向けで足を揉まれた後はうつぶせで、足、おしり、脇腹、背中、腕をぐいぐい全身の力をこめてマッサージしてもらう。極楽、ゴクラク。

マッサージ担当のジェラルディーヌさん。
 最後はジェットバスへ。血行、痩身、沈静、活気の4つ効用があるオイルから1つを選んで湯船に入れてもらう。風呂と思うと少々ぬるいが、四方八方からの ジェット流が20分間、穏やかに全身をマッサージし、存分にリラックスできる。施術後は、アクアジムと温泉が合わさったような「アクアトニック」へ。 ジェット水流あり、打たせ湯ありで楽しい。この他にも休憩室やハマム、サウナなど自由に利用でき、半日を実にのんびり快適に過ごした。
 




  翌日はテルム・マランに併設するホテル内のレストラン〈La Verrière〉へ。ここはダイエットメニューがウリの店。本日のおすすめに従い、手長エビとアスパラガスのサラダと、カモのグリルをチョイス。飲み物には、ブルターニュ産のミネラルウォーター Plancoetを選んだ。前菜のサラダはダイエット食とは思えないほど充実感があるし、カモもフランボワーズのソース、ニンジンとヤングコーン が添えられあっさり味ながらもおいしかった。
 サンマロでタラソを試すなら、断然オフシーズンがおすすめ。温泉気分で楽しめること請け合いだ。(里)
 
   
 

土曜は魚に優しい水族館、日曜はカンカルでカキ。
  土曜の観光は水族館から。観光局前よりバスで約10分。9つの大水槽の中で特に印象深かったのは、360度パノラマ水槽。円形の室内を水槽がぐるりと囲 み、体長3mほどのサメが優雅に回遊している。床にマットがあるので、座ったりくつろいで鑑賞できるのもいい。ウミガメも仲良く同居していて、彼らの動き のコントラストを見ていると飽きない。また環境保護がテーマの水槽には空きビンやゴム草履が沈んでいて、ゴミ捨て場と化した海の現実を考えさせられた。そ の他潜水艦疑似体験など盛りだくさん。子供も背伸びしたりだっこされなくても、魚の目の高さで観察できる。ビジターに優しい、魚に優しい水族館です。
  お昼ご飯は城壁内のTi-Nevezというクレープ屋で。まずシードルで乾杯! Pourlette(アンドゥイユに似た味)とマスタード入り特製クレープを試してみた。デザートは自家製Kouign Mann-Gozh(古くからブルターニュに伝わる有塩バターのガレット)。クレープもデザートも比較的あっさり味。
 おなかいっぱいになった後は、城壁内や海沿いをぶらぶら散歩。潮風に吹かれ太陽を浴びつつ深呼吸。やっぱり海辺の町はいいなー。また来よう。(貴)


ブルターニュ名産のお菓子たち。
   
  カキが大好きな人はサンマロまで来てカンカルに行かないわけにはいかない。日曜の朝、サンマロの観光局前から出ているバスに乗って40分、カンカルの小さ な港に着いた。よく晴れていたので、水平線に遠くモン・サンミッシェルが見える。港のはずれにカキ売りの屋台が10数軒並んでいる。どの屋台も、くぼみガキhuître creuseが1ダース3€から5€、平ガキhuître plateが8€から12€と、値段は統一されている。くぼみガキの4番(小さめ)を買ったら、売っている人が親切にカキ開け用のナイフを貸してくれたの で、さっそくこじ開けてモン・サンミッシェルを眺めながら味見! 4月から10月にかけては、殻開け専門の人がいて簡単に試食できるようになるけれど、シーズンオフに出かけて、雨が降ったり、殻が開けられなかったりする 場合、港に沿って並ぶレストランに入り込もう。たとえば〈La Perle Cancalaise〉では、カキ1ダースに辛口白ワインが1杯ついて10€のコースがある。(ダン)








●交通
パリからはモンパルナス駅からSt-Malo駅まで直通のTGVが利用できる。約3時間。直通は運行数が少ないので注意。またはRennes駅で乗り継いで行くことも可能。往復約140€。駅から城壁内まで徒歩15分。街なかの移動は徒歩またはバスで。

●観光局
Esplanade Saint Vincent 35400 St-Malo
08.2513.5200
www.saint-malo-tourisme.com

●L'ile de Grand Bé
干潮で渡れる時間は観光局で要確認。



●美術館/博物館
- Le Manoire de Jacques Cartier
10h-15h(10月〜5月)大人5€/子供4€
駅前のレンタル自転車を借りて約30分。
Rue David MacDonald Stewart Limoelou Ritheneuf
02.9940.9773
www.musee-jacques-cartier.com
- Musee de l'Histoire de la Ville
大人5.20€/子供2.60€ 月休(11/1〜3/31)
旧市街入り口の城門Porte de St-Vincentの横。Esplanade Felicite Lamennais 02.9940.7157

●レストラン
- Les Corbières
27歳、注目のシェフ、ジュリアンのシーフードを多用した新感覚の料理を堪能できる。月火休。
6, 7 Place Monseigneur Juhel
02.9982.0746 
- Les Ramparts
St-Vincent門入って左。無休。
17 rue Jacques Cartier 02.9940.9123
- La Verriere
コース23.50€より。
Le Grand Hôtel des Thermes内
100 bd Hebert Grande Plage du Sillon 02.9940.7575

●クレープ
ブルターニュ伝統菓子Kouign Mann-GozhやFar Bretonは持ち帰りも可。水休(学校休暇期除く)。
Ti-Nevez : 12 rue Broussais 02.9940.8250
●ホテル
France et Chateaubriand ★★
上階の海側の部屋からは海が見える。2つ星ながら由緒ある便利で素敵なホテル。
S/W: 64€〜、朝食11€。
12 Place Chateaubriand
35412 St-Malo
02.9956.6652 Fax: 02.9940.1004
www.hotel-fr-
chateaubriand.com


●タラソテラピー
Les Thermes Marins de St-Malo
週末半日コース2ケア57€〜。水着、サンダル、水泳帽持参のこと。ケアは水着のままでもOK。
Grande Plage du Sillon BP 32 35401 St-Malo
02.9940.7575
thalassotherapie.com

●水族館
Grand Aquarium de Saint-Malo
大人15.50€ / 子供9.50€ / 4歳以下は無料。冬場は閉館日、閉館時間を事前に確認すること。バスは観光局前より5番線を利用。約10分。
Avenue du General Patton
BP27 35402 St-Malo 02.9921.1900
www.aquarium-st-malo.com

●ビール
L'Aviso
地元の人が集うバー。ブルターニュのビールはもちろん、世界中のビールが味わえる。
12 rue du Pont du jour 02.9940.9908

●カジノ
スロットマシーンや、ルーレットの簡易版Bouleあり。入口で身分証の提示要。
10h〜2h(週末〜4h)
Le Casino Barrière de Saint-Malo
2 Chaussée du Sillon 02.9940.6400

Cancale
●交通
サンマロの観光局前からカンカル行きバスで約40分。

●観光局
44 rue du Port 02.9989.6372 www.cancale-tourisme.fr

●レストラン
- La Perle Cancalaise
シーフード料理。1月は休みなので注意。
21 quai Gambetta 02.9989.8024
 

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