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2006/01/15

シャモニーで冬のバカンス満喫

 1924年、第1回冬季オリンピックが開催されたシャモニーは、歴史ある世界有数の保養地でありながらこぢんまりとした歩きやすい町だ。誰もが憧れる雄大な自然とともに生活する現地の皆さんにアドバイスをもらいながら、編集部の4人がシャモニーの週末を体験してみた。効率よく複数のゲレンデを滑るコツ、2005年に建立50周年を迎えたエギュイーユ・デュ・ミディのロープウェイや、おすすめレストランなど。日曜となるとできることが限られてしまうものだが、シーズン中のシャモニーは休みなしのフル営業なので、お楽しみもいっぱいだ。(月)


山小屋風のレストラン〈ラ・ベルジュリ〉。

ロープウェイから見下ろすシャモニーの町。


シャモニーで活躍するジャポニャールたち
文・写真:月野里子、吉武美知子、ダン・ベロー
 

シャモニー:
美しく雄大な山々の恵みと、お楽しみがいっぱいのスキー天国。
週末だけでもいいから
とにかくシャモニーに出かけよう。

 週末にシャモニーで滑りたいけれど、可能かな? 早速トライしてみた。パリ発22時30分の寝台車に乗ると、翌朝の10時にシャモニーに着く。
 荷物をホテルに置いてから、レンタルショップ〈Snell Sport〉へ出かけてスキー、靴、スキーウェアなどを借りる。この店では日本人の店員さんからアドバイスをしてもらえるので助かる。その後はホテルで着替えてから、シャモニーの町の中心から500mほどのところにあるル・ブレヴァンLe Breventへ(スキー靴をはいてだとかなりの距離!)。プランプラPlanprazのケーブルカー乗り場でCham'ski 2日券(下欄 "on aime" 参照)を購入して、さあゲレンデへ。最初は足慣らしと、初心者向きの緑piste verteと青piste bleueのコースで、降雪と寒さにもかかわらず、午後4時までスキーを満喫した 。


 スキーでもうおなかペコペコ、うどんやトンカツが食べたいなあ、という人には幸いなことにシャモニーには〈さつき〉がある。ここのトンカツはうまい。
 夜は、少々リスクが伴うけれどカジノに行ってもいいし、ボーリングを楽しんでもいいし(1ゲーム9.5eはちょっと高い)、そのまま〈さつき〉に残ってカラオケという手もある。
 翌朝、他のスキー場へ行くことにしてバスに乗って(Cham'ski券で無料)、レ・グラン・モンテLes Grands Montets下車、ロープウェイを乗り継いで標高3000mまで登る。そこからの エギュイーユ・デュ・ミディや大氷河Mer de glaceの眺望の素晴らしさ!青い空、シャモニーは雲の下。ここのスキーコースも、すごく難しいという黒コースは人に譲って赤コースまでしかトライしなかったが、みごとだった。
 帰りのバスは、パリの地下鉄並みの混み具合になるので、少々早めに乗ることをおすすめしたい。
 20時のパリ行きの夜行に乗る前に時間があったので、フランススキー学校Ecole de Ski Fran溝isの2階にあるモンブラン山塊とシャモニー谷全容の縮小模型を見に行った。これを見ると、自分たちがどこでスキーを楽しんだのかが一望のうちにわかるようになっている。



 おみやげには、ブルーベリー風味や燻製風味のソーシソン、この地方名産のチーズなどがいいだろう。といってもチーズは若めを選びたい。そうでないと帰りの寝台車の中で匂いが大変だ!
 翌朝6時半パリ着。2日間のスキーにもかかわらず元気いっぱい。さあ仕事だ!(ダン)

ちょっと贅沢な
効率良く安心&らくちんスキー。
 モンブランを抱くシャモニーは、登山家の聖地。しかしスキー場としてのシャモニーを堪能するには少々知識が要る。ゲレンデが分散しているので何処に滑りに行くかの判断が難しい。特に週末だけのスキーに失敗は許されない!そこで、シャモニースキー学校の横山さんに電話して、土曜13時半にル・ブレヴァン行きのリフト乗り場で待ち合わせた。
 シャモニーは東西20kmの谷間にある町で、ル・ブレヴァンは町の北西側に位置する「南斜面だから天気の良い日は本当に気持ちの良いコースです。谷を挟んで正面にエギュイーユ・デュ・ミディやモンブランを眺めながら滑れます」。そう、シャモニーではその日の天候でゲレンデを選ぶのがコツ。この日は降ったり止んだり。「こういう日は谷の西端にあるレ・ズーシュLes Houchesの林間コースがおすすめですね」。しまった!もっと早く横山さんと連絡を取ればよかったと悔やむ。それでも吹雪の合い間の晴れ間に輝く山並みがちゃんと見えた。ここと隣のラ・フレジェールLa Flegereのコースはリフトで繋がっているが、今日はリフトが閉まっていたので 青のコース を4、5本滑ってから山腹のカフェでヴァン・ショーを飲みながら明日の相談をする。
 夕飯は、美味しいイタメシ屋がある、とスキーをレンタルしたスネルスポーツの津田さんに聞いてNeopolisへ参上。ナポリ出身のシェフ、エンリコはそんじょそこらの料理は出さない。アンティパスト(10.50e)やベジタリアン・ピッツァ(9e)、イカの漁師風(16e)といずれも絶品。食後のリモンチェッロ=グラッパ+レモン(5e)とついフルコース。
 翌朝8時45分に横山さんが車でホテルまで迎えに来てくれた。
 午前中は谷の東端にあるル・トゥールLe Tourで滑り、午後はいよいよ標高3275mのレ・グラン・モンテに挑戦だ。本日は快晴、気温は零下10度! 山の上は…?車中でホカロンなどを貼って防寒準備完了。いざ!「ル・トゥールは安全だし新雪が気持ち良い」というわけで、コースアウトしてフカフカの新雪の中を滑った。先生と一緒ならではの体験でした。
 レ・グラン・モンテの魅力は「北斜面でいつでも雪質が良い。そしてやはり迫力でしょう」というわけで、まずは標高差1900mをロープウェイで一気に上る。この上にさらに山頂から下る黒のコースがあるが岩肌に雪が定着せず閉まっていた(ほっ!?)。しかし、1900mを滑降する赤のコースも体力勝負でキツイけどアルペンスキーの醍醐味を満喫できた。1日半のスキーを効率良く安心&らくちんにエンジョイした。(吉)


 

ノンスキーヤーの二人はビヤンネートルに過ごす。
 冬のシャモニーでの楽しみはスキーだけでなし。M嬢と二人、あえてスキーはせずに他のアクティビティを楽しむことに。まずは町の北西側、6人乗りのロープウェイで標高2000mのプランプラへ。ここからブレヴァン山頂へ70人乗りの大型ロープウェイに乗り換えて向かうつもりだったが、あいにくこの日は運行なし。ならばここで食事にと〈La Bergerie〉に寄る。M嬢は塩漬けの豚スネ肉の炭火焼(15e)を、私は地鶏のトランペット茸煮込み(15.5e)を選択。まったく期待していなかった山中で、太陽がさんさんと降り注ぐモンブラン山群を目前に抜群の郷土料理にありつけた。


郷土料理、
地鶏のトランペット茸煮込み。
 午後はシャモニー駅すぐ横のモンタンヴェール駅から真っ赤な登山電車に乗って大氷河を観にゆこう。雪の綿帽子をかぶった木々の間を抜けて20分で終点の Mer de Glaceに到着。通常は氷河まで降りて、氷河をくりぬいたブルーアイスの氷の洞窟が見学できるのだが、閉鎖中で残念!とはいえ、銀世界に包まれた大氷河の神秘的な姿を眺めることができた。
 翌日はデラックスなホテル〈Albert 1er〉へお出かけ。ここの〈Le Bachal〉というスパは宿泊客以外でも利用できる。プログラミングされたジェット水流バスに浸かるヴァルネオテラピーとマッサージ(81e)を試す。木々のオイル入りの湯と水流が心地よく、うーん、ゴクラクゴクラク。隣の部屋へ移り、ノワゼットとゴマのオイルをたらしながら、クリスタルさんが「あら凝っているわね」と右肩の下をぐりぐり。全身を順々に丁寧にマッサージしてもらい、フェイスマッサージで夢心地の30分は終了。オイルは拭き取らず、そのまま肌に浸透させるのがいいそうだ。スパ利用者はプールやジャクジーも利用できるので、プールサイドでゆっくりとお肌を休めるのもいい。
 昼食後、観光ならエギュイーユ・デュ・ミディへ行かねばと急ぐ。3時半の最終の上りにギリギリセーフ。標高1035mのシャモニーから一気に上がって、 2317mの途中駅へ。気圧の変化に慣らせるため、しばらく留まった方がいいそうだが、なんたって最終の上りなので行くしかない。昼食でお酒を飲んだうえに走ったお陰で心臓バクバク状態の決死の観光だ。倒れたりしないよな〜と神妙にM嬢と顔を見合わせるなか、マイナス20度の山頂3842mへ。強い風が吹きつけ「ひゃ〜寒〜い」。しかしながら好天に恵まれたこともあって壮大な眺めは息をのむほど。夢中になって写真を撮っていたらもう帰りの時間。再来の機会を作らねばという思いを胸に帰路につく私たちであった。(月)

 

シャモニーにはジャポニャールJaponiardsが
たくさん住んでいる
世界中から多くの人が訪れるシャモニーには、何人ものバイタリティ溢れる日本人が住んでいて驚かされる。外国人として居るのではなく、シャモニーの生活にすっかり溶け込んでいるこんな日本人は、ジャポネではなくてジャポニャールと呼ばれる。シャモニーの住人がシャモニャール、サヴォワに住む人がサヴォワイヤール、山岳部に住む人がモンタニャールということにかけた造語だ。そんなシャモニーを知りつくした皆さんに、色々と聞いてみました。
横山日出現さん
シャモニースキー学校講師

 ジャポニャール第一世代。「70年代のフラワー・チルドレンです」と日焼けした精悍な顔をほころばす。東京農大出身、農業技術者としてカナダに渡り、 1969年の夏休みに自転車で世界一周の旅へ。「ブドウの収穫の後カナダに帰る予定が、そのまま南仏のスキー場で皿洗いのバイトを続けていました」。山と雪に魅せられ仏国家検定スキー教師を目指す。「この資格を取るにはまず自国での資格が必要で5シーズン冬の日本に帰って資格を取りました」
 1971年11月からシャモニー在。「ここの魅力は四季折々の表情と各ゲレンデにそれぞれの良さがあることでしょうか」
 2003年には99歳の三浦敬三さんと一緒にヴァレ・ブランシュ(モンブランの氷河)を滑降。「去年は還暦の記念に息子と夏のモンブランを登頂しました」。高山植物から登山やスキーの歴史まで何でも知ってる横山さんがガイドする夏のモンブラン一周ツアーを企画中。「フランス・スイス・イタリアを通って1週間で歩く誰でも参加できるコースを考えています」とシャモニーの観光開発へ情熱を傾け続ける。(吉)
津田博さん
スネルスポーツ店勤務、在シャモニー30年

 「シャモニーにやって来たのは、山に登りたいから」。ドイツから1972年にやって来て2シーズン過ごした後、75年からシャモニーに移り住んで現在の仕事に。また、7月から10月の間はイタリア、オーストリア、ドイツなどの山のガイドをやっている。
 「シャモニーの魅力はというと、何でもある、ごちゃごちゃした感じが落ち着くんですね。他の国へ出かけて帰ってくると、ホッとします」
 シャモニー滞在でのおすすめは、ラケット(カンジキ:写真)でのスノーハイキング。ガイドさんと一緒に、動物の足跡をたどってみたり、氷瀑を見に行ったりできる。「初心者でも2時間くらいで回れますし、家族連れにもいいですね。ノンスキーヤーでもぜひ訪れて欲しいのがブレヴァンやラ・フレジェールです。冬でもロープウェイで山頂まで行かれますし、ここから眺めるモンブラン山群の眺めが好きなんです」
 「おすすめのレストランはLe Panier des 4 saisons(258 rue Paccard)やLa Maison de Carrier、おいしいパスタが食べられるNeopolisかな」(月)
セキノ・ユキさん
ジャポニャルド第一号!

 セキノさんには雪が降る晩に会った。そして名前の「ユキ」が、雪にちなんでつけられたと教えてもらって、彼女が周辺の壮大な風景から抜け出て来た人のような気がした。登山家として東京からシャモニーを訪れて以来、この町に魅せられ定住を決めたお父さんと、フランス人のお母さんの、山や自然への愛が沸々と感じられるような名前だ。「スキーW杯で仏代表チームの選手だった妹はフジコというんですが、これも富士山にちなんでなんですよ」
 ユキさんが生まれた日、地元新聞は、「初のジャポニャルド誕生!」と報じた。彼女は、現在は、シャモニーに行く人が必ずや世話になるであろう登山電車、ロープウェイ、高山のレストラン、エギュイーユ・デュ・ミディ山頂(3842m!)のカフェテリアなどを運営する会社「カンパニー・デュ・モンブラン」の営業ウーマンとして活躍中。北海道で働いたこともあるが「シャモニーがあまりにも美しくて忘れられず」故郷シャモニーに戻った。
 山々の荘厳な景色を見ると、ユキさんのその言葉が頭の中でこだまする。(美)
石崎達也さん
レストラン「さつき」の共同経営者

 シャモニーを初めて訪れたのは1990年代初めのことだという。「当時はリヨンにあるフランスレストランで働いていました。スキー好きの私は、遠くないところにアルプスがあるのがたまらない魅力でよく出かけていたんですが、そのうちにシャモニーと出会うことになってその魅力につかれてしまったのです」
 1994年に日本へ帰って高崎市でフランスレストランをオープンする。それから8年後の2002年に、シャモニーにある日本レストラン「さつき」の経営をやってみないかという声がかかる。「フランスに帰りたい、帰りたい、と思っていたちょうど矢先だったので、すぐに引き受けました」
 「シャモニーにスキーで来たのなら、絶対にレ・グラン・モンテのゲレンデで滑ってもらいたいなあ。他のゲレンデでは味わえないスキーを楽しめます。スキーが苦手なら、ル・ブレヴァンまでロープウェイで上ってモンブランの山並みの壮大な美しさを見てもらいたいと思います。そこまでしなくても、シャモニーから伸びている山道を散歩して自然に触れるだけでも幸せです」(ダン)


スキー博識手帳
◆ヨーロッパ各地のスキーコースの難易度は、緑・青・赤・黒の順で難しくなっていく。
◆スキー場には四つのジェネレーションがある。
1/シャモニーのように山登りの基地から発祥。
2/ヴァルディゼールのように、もともと山間にあった町がスキーリゾートに発展。
3/アヴォリアッツのように、スキーリゾートのためにゼロから設計されたゲレンデ町。
4/北米にある、エレべーターでそのままゲレンデへというドライブイン型。

●交通
パリからはオーステルリッツ駅またはリヨン駅からTGVか寝台列車を利用してSt-Gervaisへ行き、在来線に乗り換え、Chamonix-Mont Blanc駅へ。TGV利用で約6時間、寝台利用で11時間。往復220euros。寝台車には女性専用車両もあって安心。
街なかの移動は徒歩でOK。登山鉄道、ロープウェイやリフトが自由に利用できるパスCham'skiがスキー&観光に便利。1日券:大人37euros/子供30euros〜 2日券:大人71euros/子供57euros〜など。

●観光局
85 place du Triangle de l'Amitié
04.5053.0024 www.chamonix.com



●スキー学校 / ガイド組合
Ecole de ski français Chamonix(8h15-19h)
04.5053.2257
www.esfchamonix.com
横山さんを含むスキー講師は、6人まで車の送迎付きで完全アテンド&指導。皆が満足できるようにレべルに合わせてコースを選んでくれるので家族連れもOK。横山さんへの直接連絡は 06.1520.3252。
Compagnie des guides Chamonix Mont-blanc
04.5053.0088
www.chamonix-guides.com
どちらもMaison de la Montagne内
190 place de l'Eglise

●レンタルスキー・スポーツ用品店
Snell Sports
日本人スタッフが親切に相談にのってくれる。
104 rue du Dr.Paccard 04.5053.0217

●カジノ / ボーリング
Bowling
17h-2h(天候の悪い日は14h〜)。
avenue de Courmayeur 04.5053.7437
Casino 770
スロットマシン(12h-03h 入場無料)、ルーレットやブラックジャック(21h- 入場料:12e)。
place Saussure

●レストラン

La Bergerie de Planpraz
04.5053.0542
La Maison Carrier
44 route de Bouchet
74402 Chamonix Mont- Blanc
04.5053.0003 月休
Néopolis
79 Galerie Alpina 04.5053.9841
Satuki さつき
288 rue Joseph Vallot 04.5053.2199
www.satsuki.eu

●リラクゼーション
Le Bachal(Hameau Albert 1er 内)エッセンシャルオイルマッサージ55euros(30分)などフェイシャル&ボディケアのさまざまなプログラムあり。15h-20h(午前利用は予約要)。04.5053.0509
www.hameaualbert.fr

●地方物産 / 食材店

L'Alpage des Aiguilles
91 rue Joseph Vallot 04.5053.1421
www.alpesgourmet.com
地方物産店は同じ通りに数軒あり。土曜の午前にはplace du Mont-Blanc でマルシェ。

●ホテル
Le Clocher
110 impasse de L'Androsace
74400 Chamonix Mont Blanc 04.5053.3027
fax: 04.5053.7319 www.hotelclocher.com
W : 54euros〜 朝食 : 7e
Hameau Albert 1er
38 route du Bouchet 74402 Chamonix
04.5053.0509 fax:04.5055.9548 www.hameaualbert.fr
S/W : 175e〜 朝食 : 21e
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