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2003/03/15

生活満足度ナンバーワンの町 Nantes

 
TGVに乗れば、パリからナントまで2時間8分! そう、はるか昔、奴隷貿易で潤った大西洋への玄関の港町へは、思ったより近いのだ。
海の幸、港町のロマン、興味深い歴史的建造物など、それぞれの想いを胸に、オヴニーのスタッフ3人がフランスでの生活の満足度ナンバーワンに君臨する都市ナント*を訪れた。
町中をくまなく走るトラムウェーに乗れば、気分はもうナントっ子。町は清潔で交通も便利、文化的活動も盛んで、食べ物も美味しいものばかり。と、たった1泊2日の旅行でも、噂に聞くナントの生活の豊かさがうかがえた。
意外に近いナント、週末などを利用して気軽に出かけてみよう。(里)

*日刊紙〈リベラシオン〉が2000年6月に行った統計によると、96%の市民が生活に満足しているとか。ちなみに2位のトゥールーズは93%の満足度。

ナント見物は、町中をくまなく走るトラムウェーが便利。
ナントの新名所。Lieu Unique
 
Feydeau地区の建物によくみかける富の象徴−マスカロン。


ナント名物—ベルランゴ飴、ロワール河口でとれる川スズキ、チーズのキュレ・ナンテ。
文と写真:益子実穂/田中里絵/ダン・ベロー
 

ナントの旨いものはジモティに聞け!

 私のナントの旅の水先案内人は、以前ナントに住んでいたこともあるステファニーさんとグザヴィエさんのカップル。
 まずは毎週土曜の午前中にヴィアルム広場Place Viarmeで開かれる蚤の市へ。ガラクタも多く楽しい雰囲気。コレクターが多いらしく、カンペールなどのブルターニュの陶器を多く見かけた。
  続いて私たちが向かったのは、ステファニーさんの知り合いの菓子職人おすすめのチョコレート店Guerlais。量り売りの各種チョコ (5.30€/100g)と、ナント名物の飴ベルランゴをもじったGuerlingots(小4.05€)を購入。ゲルランゴは、ベルランゴ同様、色とり どりの三角錐のチョコレートだ。中にはナッツやオレンジピール、パリパリのプラリネが入っていて美味。量り売りのチョコは、特にライムとシナモン、プラリ ネ味のが気に入った。
 早くも腹ペコの私たちは、Jauneというクレープ屋さんへ直行。ボリューム満点のPave Nantaisを注文。"田舎風"のパヴェは、チーズ、卵、ベーコン、じゃがいも、オニオン、マッシュルーム入りでこんもり厚みのある四角い形(8€)。
  腹ごなしの散歩は、「日本庭園があるのよ」というIle de Versaillesに。ロワ−ル川の支流、エルドル川に浮かぶ中州のベルサイユ島は島全体が公園だ。中心にあるMaison de L'Erdreでは、付近に生息する川スズキやウナギなどが水槽に泳いでいて興味深い。
  翌日は、ブルターニュ公の城の目の前にあるLe Pont Levis でランチ。13€のコースから、ブナの木で薫製にした〈サーモンの生ハーブ風味クリーム添え〉と〈サーロインステーキの網笠茸ソ−ス〉を注文。サーロイン は3€の追加が必要だが、アラカルトで頼めば21€もするので断然お得。"Extra tendre" とうたっているだけに、肉は柔らかく、火の通し加減も抜群で美味しかった。
  午後はジュール・ヴェルヌ博物館Musée Jules Verneへ。Maritime駅でトラムウェーを降りて坂道をてくてく登ると、ナントの町を港側から一望できる高台へ着く。家族連れで賑わう館内では、 ナント出身の作家ジュール・ヴェルヌが書いた冒険小説のそれぞれの舞台を示した世界地図や、初版本、挿し絵などの展示があり、眺めているだけでワクワクも の。『80日間世界一周』や『海底二万里』など、読み直してみようかなという気になった。(里)
 

真っ先に訪れたかったのは、印刷博物館。

  オヴニーを発行している手前もあり、最初に印刷博物館Musée de l'imprimerie を訪れた。ガイドさんの話を聞きながら、実際に動いているさまざまな印刷機を見学できる。一日300枚しか印刷できなかったグーテンベルク当時の印刷機、 手で紙を差し入れなければならなかった、危ない円筒形の印刷機(1814年製)、一行ごとの活字組みを可能にしたリノタイプ(1884年製)…。見学が終 わると、19世紀初めの印刷機で印刷された大ポスターがプレゼントされる。
  Sainte-Anneの丘の上、ジュール・ヴェルヌ博物館の近くにMusée des Compagnons du Devoirという面白い博物館がある。"Compagnons" というのは、フランスに古くからある制度で、10年ほどかけてフランス中を回って技術に磨きをかけ、最後に親方として認められるための作品を完成させる職 人さんたちのこと。この博物館には、そんなコンパニオンたちの手になる傑作の数々、木、ガラス、金属、塗料を使った作業に必要だった古い道具などが展示さ れている。現在はまれになった木靴や蹄鉄作りの職人さんたちの仕事をかいま見ることもできる。
 昼ごはんは、ナントの古い街並みの中にあるLe Brocoliへ。外見は大したことはないけれど、9.90€のお昼のコース(アントレ+メイン+ワイン250cc+デザート)が文句なしにおすすめだ。 ナント特産のマッシュ菜が大好きな人は〈マッシュ菜と海の幸のサラダ Salade de mache de la mer〉を注文するといい。
 シェジーヌ川に沿ってあるプロセ公園Parc de Proceも、とても気持ちがいい。芝生の上で子どもたちが遊び回り、ジョギングしている人も多い。ここには、都市改造の時にさまたげになった数多くの木々が移植され、のびのびと枝を伸ばしている。
  夕ごはんのあとは、タランサック市場Marche Talensac脇のPannonica へ。このライブスポットは、この地方のジャズミュージシャンが演奏できる場として誕生したが、現在では、毎週フランスあるいは世界的に名高いミュージシャ ンたちが演奏を繰り広げる。ボクが行った晩は、残念ながらライブはなく、DJのミックスを聴きながら、カウンターで一杯。さまざまな世代が混じり合ったい い雰囲気! フロアでは数人が踊っていた…。(ダン)

カナダの一部に住んでいたフランス人をLes Acadiensといい、Rue des Acadiensには、〈イギリス人に追われた彼らが、一時ナントに避難し、ルイジアナに渡るのを待っている〉様子を描いた壁画がある。

1843年にできたPassage Pommerayeは、当時のナントの繁栄ぶりを偲ばせてくれる。
ジャック・ドゥミの映画『ローラ』の舞台になった。

水辺の町を魚のようにスイスイと。

  この日、ー6℃だというのに、元気にロワール川で釣りをするおじさんたち。夕方の川沿いの道に点滅する、中の見えないバーのネオン。17、18世紀フラン ス随一の貿易港で、酒、鉄砲、ガラス小物、布をアンゴラやギニアなどで奴隷と交換し、その奴隷たちをアンチーユでコーヒーやタバコ、砂糖と交換してナント へ戻るという三角貿易で富をなした商人の館や、船主の名前がついた小径・・・。町には雑多な港町風情が漂います。
 散歩の後、Chez l'Huîtreでカキ+地酒〈ミュスカデ〉で夕食を始め、鰯のマリネ、サメ・ウナギ・カジキの薫製、最後に焼いたキュレ・ナンテ(チーズ)をハチミツ と。「きれいなキモノを持って来てくれたら、次回はご馳走するわ」と女主人。彼女から教えてもらったエードル川沿いのジャズクラブLe canotierは、気さくなカフェ風。その晩はジャムセッションでスタンダードの演奏。最終トラムもなくなり、宿へ夜道を歩く。同じく深夜散歩の人々と すれ違う。


 翌朝はオペラ座正面、1900年スタイルの老舗ブラッスリーLa Cigaleで朝食。店内で新聞を読む、お腹の出た貫禄ある中年男。日曜の朝から三つ揃いでりゅうとした風情は、100年前のナントから出てきたようだ。どこか大工場の取締役だろうか?
  小高い丘のタランサック市場へ。ミュスカデで洗いながら熟成されたキュレ・ナンテや山羊チーズを買う。大きなビーツ、みずみずしい野菜。カキが10種以上 並ぶ店もある。カキ全種類、一個づつ開けてと注文し、その場で冷えたミュスカデとツルッ、キュ・・・なんてできたらな・・・と夢想しつつ徘徊。クレープ屋 も大繁盛。直径7センチ程のウナギの薫製、キャビアが並ぶ総菜屋。ここでクールブイヨンでゆがいたロワール川のウナギの稚魚をほんの一握り包んでもらい (10€)、近くのバーで冷えたミュスカデと。カフェにいる食いしん坊風なおじさんが、市場近くのL'Océanideの魚料理を勧めてくれた。日曜昼の ゆったりした賑わいのなかでナント発祥のブールブランソースをかけたスズキを味わい、交通費の元がとれたと実感。もはやブルターニュ公城見学はどうでもよ くなる。食後、一応城に寄れば、2006年まで改装中とのこと(ホッ)。城の中庭の書店で、ナント関連の本を物色。


デザートもおいしかった。
 バタービスケットでお馴染みのLUの古い工場内に、カフェやレストラン、書店などを配したLe Lieu Unique には2年前のオープン時から来たかった。予想していた以上の居心地のよさ。帰りの電車5分前まで、お茶を楽しみました。(美)  


Nantes
●観光局
2 Place St Pierre

02.4089.1199
www.nantes-tourisme.com


●交通
- パリ—ナント間はTGVで2時間8分。
往復80〜120€
- ナント市内のバスとトラムは切符一枚で1時間
有効。1.50€。自動販売機かバスのなかで販売。
24時間切符は6.70€。これ1枚で4人一緒にバス、トラムで移動できる。


●ナントはカルチャー・イベントの都
- La Folle Journée(2月)
毎年「バロック」や「ハイドン」などテーマが決められ、5日間ナント中で演奏会三昧。

- Le Printemps des Arts(5-6月)
バロック・アートの祭典。音楽と歌と踊り。

- Le Festival des 3 Continents(11月)
アジア・アフリカ・南アメリカ三大陸映画祭。

●ミュージアム
- Musée de l'Imprimerie
24 quai de la Fosse 02.4073.2655
開館日、時間は季節・曜日により異なる。
月〜土(祝休)10h-12h/14h-17h30
7月、8月は土曜休み
10/1〜4/30:日曜開館14h-17h
入場料5€

- Musée des Compagnons du devoir
14 rue Guillon-Verne 02.4069.3055
土曜の14h-18hのみ開館。

- Musée Jules Verne
3 rue de l'Hermitage 02.4069.7252
火・祭日・日朝休 10-12h/14h-18h

●ホテル
- Le Surcouf** 40〜50

38 rue de Richebourg 02.4074.1725
- Hotel de la Duchesse Anne** 50~89€
4 place de la Duchesse Anne 02.5186.7878

●レストラン
- Chez l'Huître(カキ、魚)
5 rue des petites ecuries 02.5182.0202
http://www.chezlhuitre.fr

- Le brocoli(フレンチ)
16 rue Juiverie 02.4089.1604

- L'Océanide
2 rue Paul Bellamy
魚料理を得意とする高級フレンチ。ナント発祥のブールブランソースで魚を味わうならここ。
02.4020.3228

- Crêperie Jaune(クレープ)
1 rue des Echevins 02.4047.1571
- Le Pont Levis(フレンチ)
1 rue du Chateau 02.4035.1020 無休
- La Cigale
4 place Graslin 02.5184.9494 無休

●ちょっと一杯&ミュージック
- Pannonica : 9 rue Basse Porte
02.5172.1010 http://www.pannonica.com/

●元ビスケット工場は今、マルチ空間
- Le Lieu Unique
quai Ferdinand-Favre  02.5182.1500
*レストラン:月〜土 12h-14h/19h-0h(月夜休)
手ごろでシンプルな郷土料理。
*カフェ・バー:
11h-01h(日月 〜20h、木〜2h、金・土 〜3h) 
お抱えDJがミックスしたオリジナル・サウンドが聞ける。
*書店もあり。

●夜はジャズ
- Le canotier-Jazz cafe
21 quai de Versailles 02.4012.0629
火〜土15h-02h 
木・金・土は生演奏。

●蚤の市- Marché aux Puces
Place Viarme 毎週土曜日13hまで。

●マルシェー生鮮食品
- Marché Talensac
Place Talensac 毎日8h-13h(月休)。

●菓子店&サロン・ド・テ
- Vincent Guerlais(チョコレート)
11 rue Franklin 02.4008.0879
- Debotte(サロンドテ&菓子)
15 rue Crebillon 02.4069.0333
- Gautier(チョコレート)
9 rue de la Fasse
老舗チョコ店。名物ベルリンゴ飴もここ。
日月休

●地方物産が買える店
- Comptoir du Chateau
4 rue Prémion 02.4020.1622
ケルト文化グッズやアクセサリー、
ビールや食品が揃う。


Saint-Nazaire

●観光局
bd de la Legion d'Honneur 02.4022.4065
www.saint-nazaire-tourisme.com

●美術館&博物館
- Escal'Atlantic(Port Saint-Nazaire)
Ville-Port 0 810.888.444
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