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n°632 : 2008/5/15
—ノラ猫の世話をする協会—
大都会で生きるのは辛いニャ〜。
 かつては卸売り市場が広がる「パリの胃袋」。現在は広大なショッピングセンターが自慢の大都会のおヘソ、レアール地区。買い物に夢中になっていると気がつかないが、中心部の緑地帯には、かなりのノラ猫が生息する。彼らの中には、通行人から虐待を受けたり、厳しい生活環境で病気になるものも多い。そんな不幸な猫たちを救うために、昨年7月に設立されたのが、アソシエーション「シャダール(〈レアールの猫〉という意味の造語)」なのだ。
 「今日はクォーツを解放する日」と語るのは、代表のヴァレリーさん。クォーツとは10カ月になる黒猫の名前。ひどい風邪のため手当を受けていたが、体力が回復したので庭園に戻してやるのだ。パリ市は「シャダール」に物置小屋を貸してくれたり、緑地スペースの一画に猫小屋を設置する許可もくれたとか。 
 しかし、ノラ猫を世話しすぎるのも問題があるのでは? 日本でも餌をばらまく〈鳩オバさん〉が、鳩を増やしていたりすると思うが。「いいえ。私たちは不幸な猫を増やさないように努力しているのです」。どういうことか。まず、個別に猫を識別し、病気になれば世話をし、不妊・去勢手術をきっちり施すのだ。「猫のカップルが1組いれば、10年後には8千万匹まで増えるという計算もあります。数が増えると、猫たちは過酷な生活を強いられます」。世界的な食料危機が叫ばれるなか、人口が増え続ける人間どもも、明日は我が身とは言えなくもないが。とにかく、まずは今いる猫たちの「生きる権利」を尊重しながら、数を増やさないよう努力することが大切というわけだ。
 さて活動はまだまだ困難が多い。猫をお世話するための人手もお金も足りない。猫を虐待したり、バカンス前には捨ててしまう人も多い。加えてレアールの整備計画も頭にのしかかる。「一帯が芝生化されるの。猫たちの休まる場所がなくなってしまう」。工事は来年の予定。辛いニャ〜。(瑞)
Association Chadhal : http://chadhal.free.fr/
病気だった猫のクォーツを庭に放す。

ドアを開けたら一目散に走り出し、写真では残念、頭が切れてしまいました。




〈シャダール〉の代表ヴァレリーさん(左)とメンバーのシャルルさん(右)。



「お腹すいてないかな?」。パリ市は専用の猫小屋の設置を許可。たくしく生きていけるよう、猫たちはなるべく人に慣れないよう育てられているので、なかなか出てこない。

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