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n°630 : 2008/4/15
—紙のお香Papier d'Arménie製造アトリエ—
モンルージュの町は芳香に包まれて。
 パリの隣町モンルージュ。地下鉄ポルト・ドルレアン駅を降りて歩くこと20分。どこからともなく、バニラを思わせる甘い匂いが漂ってきた。〈Papier d'Arm始ie パピエ・ダルメニー〉の製造アトリエは、もう目と鼻の先だ。
 〈パピエ・ダルメニー〉は「アルメニアの紙」の意。フランス人の4人に1人が使ったことがあるという消臭のための紙のお香だ。短冊型に切った紙をアコーデオン状に折り、火をつけて使えば、芳香が広がる。部屋にこもった匂いを消すほか、空気の浄化作用もある。19世紀後半、薬剤師ポンソ氏が旅行先のアルメニアで、人々が安息香という樹脂を燃やし殺菌剤として使用していたことにヒントを得たのがはじまり。すぐに仕事仲間のリヴィエ氏と商品開発に着手し、商品化に成功。現在はリヴィエ氏のひ孫であるミレイユさんが会社の指揮をとる。従業員は8人ながら、カルネ型のパピエ・ダルメニーを、年間200万冊も出荷する。
 製造行程は〈芳香付き溶液作り〉、〈吸取紙作り〉、〈溶液に吸取紙を浸す作業〉、〈吸取紙の乾燥〉、〈吸取紙の加工と出荷準備〉に分けられる。特製溶液と、ゆっくり燃焼するために特別加工された吸取紙用溶液の中身は、百年来の秘伝。「今まで真似をしようとした会社もあったが、うまくいかずに消えていった」とミレイユさん。気がつけばモンルージュで最も古い老舗の会社に。「従業員はみなこの町の住人」という言葉にも象徴されるように、会社と町との友好関係も自慢だ。製造中、外に芳香は発しても、騒音や公害を出すわけではないし、住民も文句はないだろう。「この町で有名なのは、写真家ドアノーとパピエ・ダルメニー!」という従業員の誇らしげな言葉に、素直にうなずけた。(瑞)



www.papierdarmenie.fr/

ラオス産の安息香で香り付けされた特製溶液をかき回す。放っておくと樹脂だから固まってしまう。3カ月で完全な液体に。「昨日かき回すのを忘れたから、ちょっと重い」


特製溶液につけられた吸取紙は、大型オーブンに入れられる前にゆっくりと水切りされる。

特製溶液がついた吸取紙を大型オーブンで20分乾かす。


この後四等分にカットされる。
日本語解説ページがあるものも。日本はアジア唯一のお得意さま。

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