| 子供を見る目がいい。 "Alexandre Charpentier (1856-1909)" |
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| あまり期待しないで行ったが、掘り出しものだった。ポスターを見ると、アール・ヌーヴォーの家具の展覧会かと思うが、それだけでなく、彫刻や版画もある。忘れられた作家の再評価を促すのに成功している、小さな宝石のような展覧会だ。 パリの貧しい家庭に生まれたシャルパンチエは、宝飾の彫り物師、パイプ職人の見習いとなり、美術学校でメダイユ彫りの技術を習得する。初めは職人で、若いころに結婚。生活苦と闘いながら才能を発揮するうちに、コレクターがつくようになり、売れる彫刻家となる。こう見ると、ロダンにそっくりではないか。実際、シャルパンチエとロダンは親しく、シャルパンチエの2度目の結婚の証人はロダンとドビュッシーだった。 けれども、死後は対照的だ。ロダンの栄光は今も続くが、シャルパンチエは忘れ去られた。その理由の一つは、メジャーな美術とされる絵画・彫刻と、マイナーとされる装飾美術の境目を越えて活動したからではないかと思う。シャルパンチエ作品に見られる「用の美」が、逆に芸術家としての評価を抑えるように作用したのではないだろうか。 それにしても、忘れ去られるのが惜しい、多彩な人である。チェロを弾き、家具を作り、陶芸家や建築家や素描家たちと美術全般に関わる創作集団を作り、企業のポスターを製作し、コレクターの邸宅の室内装飾も手がけた。 特にいいのは、シャルパンチエの子供を見る目だ。『Jeune mère allaitant son enfant 赤ん坊に授乳する若い母親』の母親のまなざしからは慈しみが、ひざの上でバランスを取りながら乳を含む子どもからは、母への全面的な信頼が感じられる。『Linette Aman-Jean リネットの頭像』は、頭の中に考えがいっぱい詰まっていて、今にもしゃべり始めそうな少女の生き生きした表情をよく表している。水盤に彫られたナルシス像は、生を享受する伸びやかな肢体の少年だ。『Fantaisie sur un dos de violon バイオリンの背のファンタジー』の人物像は、何世紀も続く生を象徴しているようでもあり、妖精のダンスのようでもある。 てらいのなさ、作品に表れる強烈な自己の欠如が、シャルパンチエのよさでもあり、芸術家としての弱みでもある。(羽) |
![]() Linette Aman-Jean, 1908 Paris, musée d’Orsay; © Photo RMN, Hervé Lewandowski オルセー美術館: 4月13日迄。9h30-18h、木21h45迄。月休。 |
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| G A L E R I E: Lahumière | |||
| ピカソ美術館から数歩の場所にある。1963年にアンヌとジャン=クロード・ラユミエール夫妻が創立した、抽象幾何学美術専門の画廊だ。日本でも人気のオーギュスト・エルバンを、一般に知られていなかったころから取り上げている。 夫妻の好みはほぼ一致している。後を継いだ娘のディアーヌさんも同じだ。取り上げる作家の決定は、一つの作品を見た時に言いがたい魅力を感じるところから始まる。 「うちの画廊に来て、わからないと途方にくれる人がいますが、わかろうとする必要はない。ただ見るだけでいいんです」とディアーヌさん。頭で理解したい人にはとりつきがたいが、好きな人には説明不要の世界だ。投資目的ではなく、好きで集めるコレクターがほとんどだそうだ。 3月12日までは、アルミの表面にツルツル、ざらざらと感触の異なる縞を描くニコラス・ボドゥの個展を開催。ケルンの見本市のこの画廊のブースで、ジャン・ルグロの絵を初めて見て、ショックを受けたというドイツ人作家だ。リズム感があり、ラテンアメリカの人かと思えるほど、画面からサルサやボサノバの音楽が立ちのぼってくる。(羽) |
![]() 17 rue du Parc Royal 3e www.lahumiere.com |
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