「年齢は私にとって問題ではない。私はいつも自分の年の役があった。年をとることは特権よ。生きて、見て、たくさんのことを学べるわ」 今年90歳の誕生日を迎えたダニエル・ダリュー。カトリーヌ・ドヌーヴが、「私に年をとることを恐れさせない唯一の女性」と形容する大女優だ。現在公開中のパスカル・トーマの新作『L'Heure zéro』にも出演し、健在ぶりをアピールしている。 1917年ボルドー生まれ。14歳で銀幕に登場し、映画の黄金時代を駆け抜けてきた。特筆すべきは、50年代に華開くマックス・オフュルス監督との目も眩むようなコラボーレーション。濡れた瞳とウットリとした笑みが美しい才気溢れる上流階級の女性を演じ、媚びはないのに全身「女」ともいうべき優美さと軽やかさを放った。またオペラ歌手であった母親の影響で、歌の才能も一級品の彼女。昨年、映画『Nouvelle chance』で、アンヌ・フォンテーヌ監督が歌手でもあった彼女にオマージュを捧げていたのも忘れ難い。 こうして、実に70年以上にわたり常に第一線で活躍してきたマダム・ダリュー。いつの時代においても現代的な女優でいられる彼女は、今日も「永遠に湧き出る泉」のような存在感で、若い世代にインスピレーションを与え続けるのだ。(瑞)