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エジプト豆の粉を使ったインド風揚げもの。
Pakora aux légumes
 パリのインドレストランで、前菜としてとることが多いのがパコラという野菜の天ぷら。衣には小麦粉ではなく、エジプト豆(ひよこ豆)pois chicheを挽いた粉を使っている。それにクミンパウダーや赤唐辛子粉などで風味をつける。パリ9区のパッサージュ・ブラディなどにあるインドの食材店まで、エジプト豆粉(英語で gram flour)を買いに行った。
 ボウルに粉をとり、水を2、3度に分けて加え、ダマができないように丁寧に混ぜ合わせる。そこへ、唐辛子粉あるいはタバスコソース、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、おろしたショウガ、塩適量、そして丁字の頭のところだけを手でもむようにして加え、よく混ぜ合わせ、スパイスの風味がいきわたるよう30分ほど置いておく。
 次は野菜の準備。今回は、ジャガイモ、ナス、タマネギ、ホウレンソウを使うことにする。ジャガイモは皮をむいてからナスは皮付きのまま、3ミリくらいの輪切りにする。タマネギは四つに割ってから薄切り。ホウレンソウの葉はよく洗ってから布巾などで水気を切り、細かく切り分ける。
 衣にベーキングパウダーをふたつまみ加えてもう一度よく混ぜ合わせ、野菜を揚げていくのだが、衣は天ぷらよりはかなり固めで、切り分けたジャガイモをひたすと、ぽったりとかぶる感じです。
 最初はジャガイモとナスを揚げる。油の温度は170度から180度、野菜にたっぷり衣をつけてから、やや時間をかけてよく火をとおし、カラッと、きれいな色がつくように揚げる。次はタマネギをボールにとり、約同量の衣を加え、かき揚げの要領で揚げていく。ホウレンソウもタマネギ同様に揚げる。
 揚げたものは油をよく切り、大皿の上に生キャベツのせん切りをしいてレモンを搾りかけてから盛り付ける。この生キャベツがシャキシャキッとした歯ごたえでうまい。パコラに合うソースは下欄参照です。(真)
ジャガイモ中2個、タマネギ1個、小ぶりのナス1個、
ホウレンソウ50g衣:エジプト豆粉250g、水250cc、クミンパウダーとコリアンダーパウダーそれぞれ小さじ1杯、丁字5本、
唐辛子粉小さじ半杯、ショウガ、塩



●パコラさまざま
ジャガイモ、ナス、タマネギ、ホウレンソウ以外に、パコラという揚げものに適した野菜といえば、まずカリフラワー。これも5ミリほどの厚さに切り分ける。準備に手がかかるけれど、アルティショーも絶品。葉feuilleを取りのぞいて、芯fondだけを、やはり5ミリほどの厚さに切って揚げます。クルジェットもおすすめ。これも5ミリの輪切りです。赤、緑のピーマンは幅2センチほどに切り分けてから揚げる。

 

●パコラに合うソース三種
ボクらが気に入っている18区のNavel(593号で紹介)だけでなく、パリのどのインドレストランでも前菜と一緒に辛・甘・酸味の三種のソースが出てくる。パコラに、それぞれのソースをつけて違いを味わったり、そのソースをさまざまに混ぜ合わせたりして、楽しみたい。
超辛チャツネ
マンゴーやライムあるいはグリーンピース入りなどの超辛チャツネ。インド食品店で〈hot〉と記されているものを選ぶ。リンゴのチャツネなら、自分でも手軽に作ることができる。
マイルドなチャツネ
マンゴーやプラムの、ジャム状でなめらかな甘いチャツネ。〈mild〉と記されている。
ミント風味ヨーグルトソース
このソースの軽い酸味は、パコラにぴったりだ。ヨーグルトに、できるだけ細かくきざんだミントの葉、コショウ、クミン粉少々を加えて、軽く塩を振り混ぜ合わせるだけだ。

●既製のパコラ用スパイス
赤唐辛子粉やクミンパウダー、コリアンダーパウダーや丁字などを用意できないとパコラが作れないのか、と嘆く人は、パコラ用スパイスの詰め合わせを、インド食材店で買ってこよう。上記のスパイスの他に、カルダモンやシナモンなども入っている。100g入りで1.2€。

●リンゴのチャツネ
 檀一雄『檀流クッキング』に出てくるチャツネを何度かトライして覚えた。ニンニク3、4片、ショウガ親指大をみじんに切って、油で炒めていく、色がついてきたら、小さく切り分けた酸味のあるリンゴ3個、干しブドウ大さじ2杯、それにきざんだ唐辛子適量を加え、火をごく弱火にし、フタをしてとろとろと煮詰めていく。くっつかないように、時々全体を混ぜ合わせることが大切だ。ジャム状になってきたら、砂糖大さじ1杯、塩少々、それにビネガーを大さじ5、6杯くらい加えて、やはり弱火で煮詰めていけばでき上がりだ。そう、ちょっと辛くて、甘く、すっぱいジャムのような感じです。瓶に詰めて冷蔵庫に1カ月くらい寝かせておくと、味がよくなる。(真)
 

F R O M A G E
●Rouy
 ルーイは、どこのスーパーでも手軽に買えるウォッシュタイプのチーズなので、一度は味わったことがあるという人も多いだろう。
このチーズのCMが、なぜか9月になるとテレビに登場する。秋風が吹いてくるとルーイが食べたくなり、枯葉に鼻を突っ込んでその味を思い浮かべるというCMだ。ウォッシュタイプの名品、エポワスとかマンステールは、春になって放牧された牛の生乳から作られ、その熟成が終わるのが夏の終わりから秋というわけで、秋という季節感に結びついても不思議はないが、ルーイは低殺菌乳が原料だから、一年中が食べごろ(?)、秋とはあまり関係ない。ブルゴーニュ地方でルーイさんという人が作り始めたので、この名前になった。100%工場生産です。
  エポワスの半分以下の値段だから、あの古漬けを思わせるような奥深い味わいは期待できないけれど、クリーミーでマイルドな風味は、ウォッシュタイプが苦手な人にもおすすめ。パンにマスタード、バターを塗り、トマトや生ハムなどと一緒に薄く切ったルーイをはさんだサンドイッチはうまい。(真)

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