●L'Âge des ténébres
渋滞を我慢し職場に着いても、行動は監視され、無意味な労働があるばかり。家に帰ったところで愛も会話もないお寒い空間。現代社会の犠牲者、中年男ジャン=マルクの逃げ道はただひとつ、もっぱらリアルな幻想に耽ること。幻想の中では有名作家となり尊敬され、美女が話を聞いてくれるのだから。
等身大の社会風刺は凡庸にみえるが、棺桶に入ったのに悪妻の携帯で起こされたり、中世にタイムトリップし闘いに巻き込まれるなど、ブラックユーモアと創造性に弾みがついた時こそ、カナダのケベック組ドゥニ・アルカン監督の才能が一層輝いて見える。『アメリカ帝国の滅亡』、『みなさん、さようなら』に続く三部作最終章。(瑞)