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—オペラ・ガルニエのガイド付き見学—
シャガールの絵でぐっと身近に。
 渡仏して9年目になるが、オペラ・ガルニエに足を運んだことがなかった。いつでも行けると思うと、かえって行かないものらしい。偉そうに構えるオペラ座は、神々しいけど今まではやや近寄りがたい冷たい存在だった。とはいえやはり一度見てから判断せねばと、ガイド付き見学に参加する。
 時間丁度に女性のガイドさんが現れ、手すりも大理石製の豪華な階段を踏みしめるように登る。「建物内に様々な大理石が使われています。白はイタリア、黄色はアルジェリア、赤はスコットランドといろんな国から取り寄せたものです」。全部で33種あるという大理石は表情豊かで、ほの明かりのもと、温かさすら醸し出す。ガイドさんは定番のオペラ座の怪人やダンサーたちの話に触れた後、階段脇にさりげなくへばりつく山椒魚の銅像を指し示す。「山椒魚は火の守り神。オペラ座も彼のおかげで火事を免れています」。当時他にあったオペラ座は火事で焼け落ちたが、このガルニエはしっかり生き延びているのだ。
 次にメインのホールを見学。改装中につき舞台上は工事現場然としていて残念だが、豪華なシャンデリアに照らされた客席を彩る金の装飾とベルベット調の赤い座席群が、にわか貴族気分を盛り上げる。
 そしてふと見上げると、あのシャガールの天井画を発見。1964年、現代アート贔屓であった時の文化大臣アンドレ・マルローが注文したもので、お得意のパステルの淡い色彩に14人の作曲家へのオマージュが幻想的に描かれているのだ。「あれがチャイコフスキーの『白鳥の湖』、あれがモーツァルトの『魔笛』、それから…」。天井画を指差しガイドさんの説明が続く。よく見ると、エッフェル塔の絵の横に画家らしき人物を発見。これはもしや…。「そうです、シャガール自身です」。やっぱり。なんて出たがり爺さんなんだ! しかも描いた当時はもう80歳近くのはずなのに、しっかり青年のように描かれている。この図々しさが若さの秘密だったのだろう。人間味溢れるシャガールの絵の登場で、オペラ座がぐっと身近に感じられたのだった。(瑞)
●Opéra Garnier : Place de l'Opéra 9e
08.9289.9090 http://visites.operadeparis.fr/intro.asp
ガイド付き見学は12€/10€/9€/6€。
水土日の11h30と15h30(仏語)、11h30と14h30(英語)。学校休暇期は毎日実施。



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