TGV ESTが開通してパリ-ストラスブール間が2時間短縮されただけではなく、欧州議会の所在地としてすでにヨーロッパ色の強かったストラスブールは、チューリッヒまで2時間35分、シュツットガルトまで1時間16分と、スイスやドイツとの結びつきがますます強くなるだろう。それに構える意気込みが、ストラスブールの駅に降り立ったとたんに伝わってくる。旧駅をすっぽり覆うガラスのドームは、巨大な未確認飛行物体が着陸したようで、圧倒される。このドームの地下からトラムに乗って、町の中心へ。
天気模様があやしくなってきたので、簡単な昼ごはんのあと、〈Jardin des Deux-Rives〉へ。ライン川の両岸にわたる広々とした庭園で、2004年にオープン。カヤやスゲなどがうまく配置され、風の流れに応えて大きくなびく、その美しい弧を、そのまま定着させたような歩道橋がこちら側とあちら側を結んでいる。散歩中の家族が橋の真ん中に立ち止まってラインの早い流れに見入っている。ドイツ語が聞こえてくる。60数年前、このライン川をめぐってフランス、ドイツが苛烈な戦いを繰り広げていたことが夢のよう。あちら側はケールという閑静な住宅街。清潔で花が咲き乱れるドイツの町だ。まだ家賃や住宅の売値が安いので、ここに住んでストラスブールに通うフランス人が増えているという。