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—13区中華街の仏さま—
知られざるミニ寺でおみくじを引く。
 ヨーロッパ最大の中華街のあるパリ13区には、地元民に愛されるミニ寺が存在する。今日は仏教の専門書も出版するミシェルさんの頼もしいガイドのもと、謎に包まれたミニ寺に潜入することに。「フランスには約100万人の中国人がいます。そのうちパリと近郊で30万人、この〈トライアングル〉だけで3万5千人を数えます」。〈トライアングル〉とは、ショワジー、イヴリー、マセナの三本の大通りを結ぶ三角形の区域を指す。ここに住む中国人の90%は広東省出身者だという。「彼らは1949年の中華人民共和国樹立前にカンボジアなどへ移住を開始し、そして1975年以後、ポルポト政権下の弾圧を逃れるようにこの界隈に移住してきました」
 ほどなく集合住宅とショッピング・センターが一体となった〈オリンピアード〉に到着。この中に二つの寺があるのだ。一つは〈Amicale des Teochew en France〉内。潮州人のための文化センター的役割を果たしている組織だ。線香の煙に誘われるように足を踏み入れると、光り輝くような黄金色の仏さまに直ちに圧倒されてしまう。日本の厳かなお寺の雰囲気とは異なり、赤や黄色の原色ばかりが反射する派手な空間ではあるが、それでも仏さまは決して威厳を失いはしないのだった。
 次にインドシナ人による〈Association des residents d'origine indochinoise〉へ。地下駐車場脇の雑居ビルにあるので一瞬薄暗い雰囲気が気になったが、中に入ると不思議と落ち着いてしまう。お菓子を食べながら談笑するおじさん、子供の手をひき仏さまに手を合わせるお母さん。ここには異国に長期滞在する自分にとって、どこか懐かしく、いとおしいアジア人の生活そのものが息づいている。
 ミシェルさんの説明に従い、木の棒が詰まった筒をフリフリおみくじに挑戦してみると…おっと「吉上」と出た。説明の紙はすべて中国語で書いてあるので、その場にいたおじさんに訳してもらう。良い結果だ。都合のいいことは思いっきり信じたい自分としては、またお礼参りに来なくては。そして仏さまに勇気づけられたような温かい気持ちに背中を押されるように、日曜でも活気づく中華街の雑踏に飛び込んだのだった。(瑞)

ガイドのミシェルさん。





●ミシェルさんのミニ寺見学会:水曜除く毎日10h30と15h。約1時間半。銀行BNP前(59 av. d'Italie)集合。参加費10€。詳細&予約01.4341.3903

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