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●沖至・大友良英『邂逅』

 フランスで活躍しているトランペッターの沖至は、1年に数回日本に戻っては新しい音楽体験を重ねている。このアルバムには、2005年11月、神戸ビッグ・アップルで、ギタリスト大友良英と初顔合わせした時の、64分近い完全即興1本が収められている。
 ギターやターンテーブルから大友は、いつもながらに、時には優しく、時には荒々しく、表情豊かなサウンドを引き出しながら、さまざまな音世界を旅していく。そんな大友の音たちに答える沖のトランペットは、彼ならではの抒情を決して失うことなく、どこか懐かしい世界を語っていき、その語り口が大友を触発していくありさまが面白いように伝わってくる。この二人の対極にありそうなスタイルが不思議なまでに調和するのは、どちらも、音楽の底にある沈黙に耳を傾けているからに違いない、と思うのだが。(真)

●Ayumi Ishihara

 パリを中心に、ベルギー、スイスで活躍するシャンソン歌手、石原歩がフランスで録音した初アルバム『Je suis comedienne』 が興味深い。
 ジャン=ルイ・ベイドンのピアノをバックに、ブレルの歌を4曲、そしてバルバラ、フェレ、ファノン、ドブロンカールといった左岸派の歌から、詩人ボリス・ヴィアンの歌やトレネ、ゲンズブール、マリ=ポール・ベルのヒット曲なども歌っている。なかでも61年のモスクワ映画祭で最優秀賞に輝いた新藤兼人監督「裸の島」の、不朽の名曲ともいえるテーマ音楽(林光作曲)を日本人歌手では初めて録音している。また、優れた作詞家で歌手のアラン・ルプレストが書いたピアフへのオマージュ『Edith』 や彼女自身が作曲した 『Le bonheur, rappelle toi』も含む意欲的なアルバムです。(南)

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