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スターのゴミ袋の中…
Bruno Mouron/Pascal Rostain "Trash"
 グランパレで『新リアリズム展』を見た。消費文化を象徴するゴミみたいな作品(全部ではありません)をうるさい会場で見て、疲労した。
 その後に行った『Trash』展が意外に面白く、口直しになった。題名は文字通り「屑」。2人のフランス人パパラッチ(有名人を追いかけて特ダネ写真を撮る写真家のこと)、ブルーノ・ムロンとパスカル・ロスタンが、ハリウッドスターの家から出たゴミ袋を回収して、その中から選んだものをきれいに並べ、写真に撮った。アーノルド・シュワルツェネッガー、ハル・ベリー、アントニオ・バンデラス、ジャック・ニコルソン、ジョン・トラボルタなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいる。
 行く前に「覗き見趣味的か」と危惧したのは、杞憂だった。モノが自己主張せず、ただのモノとして慎ましく写されている。それがかえって、ゴミの背後にある人間の生活感をじわじわと感じさせる。誰の家から出たゴミか、当てるのも楽しい。マクロビオティックに走る前のマドンナ宅からは、マクドナルドの空箱、コーラ、調理済みパスタ。マーロン・ブランドはパスタ好きだったらしく、何枚も出てきたインスタントラーメンの空袋の中には「サッポロ一番」も。リズ・テーラー宅からは同じ調理済み食品の空箱がいくつも出てきて、嗜好がわかる。驚くのはコーラ類の多さだ。どの家からもほとんど出ている。体型に気を使うスターらしく、ダイエットコークが多いのがおかしい。
 アルマーニの紙袋や、ヨーロッパの別荘の高価な調度品の請求書(リズ・テーラー)、諜報員の名刺(レーガン元大統領)があるのを除けば、普通のアメリカ人のゴミ箱とまったく変わらない。パリ7区の元外交官宅にお茶に招かれた時、メイドさんがうやうやしく差し出したのが、普通のスーパーで売っているティーバッグの紅茶と、やはり普通のクッキーだったことを思い出した。それにしても、スターたちはなんと貧しい食生活を送っていることか。うちのほうがよほどマシだ。
 2人の写真家は、今後有名人にこだわらず、世界中の普通の人々のゴミ箱を対象にするそうだ。この展覧会を見れば、消費生活を知るには、対象がスターか否かに関係ないことがわかる。(羽)
Madonna, 1996
CR: Bruno Mouron et Pascal Rostain






Maison Europeenne de la Photographie : 5/7 rue de Fourcy 4e 6/3迄(月火祝休)。11h-20h。

G A L E R I E
Centre Culturel Tcheque

 20世紀初頭からチェコ文化人のたまり場として親しまれてきた建物を1997年に改築してできたのが、チェコ文化センターだ。講演会や音楽会、展覧会を催す多目的ホールと、DVDや本が借りられる図書館、そしてチェコ観光局がある。 主にチェコ人2世の子どもたちを対象としたチェコ語教室も開かれている。
 展覧会は、年に6、7回行われる。5月19日まで開催中の、33歳の新鋭写真家ディタ・ペペの展覧会がとても面白い。自分が必ず自作の中に写っている点は、アメリカ人写真家のシンディ・シャーマンと似ているが、ぺぺは、年齢や性を変える変装はせず、現代のチェコに生きる女性を、被写体との関わりにおいて体現する。だから、いつも誰かと一緒に写っている。普通のチェコ人の環境に入り込み、ある時は夫婦、ある時は姉妹、ある時は友だちになる。「ぺぺの良いところは、一緒に写っている相手を批判的に見ない点です」と、4年前からセンターで働く広報のクララ・ノタロさんは言う。ペペが一緒に写ることで、被写体の人生がより濃厚に感じられる。(羽)




18 rue Bonaparte 6e M。St-Germain-des-Pres
01.5373.0022
www.centretcheque.org
●Archile Gorky Hommage
 フランスで滅多に紹介されることがなかったアルメニア出身の抽象表現主義の作家、ゴルキー(1904-48)の展覧会が、フランスにおけるアルメニア年にちなんで2カ所で開催。虐殺を逃れて、1920年にアメリカに移住。ピカソの影響が濃厚な作品から、ミロを思わせる、有機的な曲線と鮮烈な色彩の抽象まで、素描と油彩を展示。6/4迄。
-ポンピドゥ・センター(火休)
-Centre culturel Calouste-Gulbenkian :
51 av. d'Iena 16e(土日休)。

●Carmen-Picasso
 若いころからピカソが抱いてきた闘牛士や女性への思い入れと、そこからできた作品を『カルメン』のバリエーションと見立てた展覧会。ピカソ美術館の常連には新味がないが、着想にはなるほどと思わせるものがある。メリメの『カルメン』の挿絵本も展示。
6/24迄(火休)。
ピカソ美術館 : 5 rue de Thorigny 3e
●Avec le Facteur Cheval

 ドローム県の片田舎で郵便配達人として一生を終えたフェルディナン・シュヴァル(1836-1924)は、33年かけて、類まれな「理想宮」を作った。このアール・ブリュットの傑作に魅せられたピカソやドワノーなど、世界中の芸術家による城にちなんだ作品200点と、模型、写真を展示。9/1迄(日休)。
Musee de La Poste : 34 bd de Vaugirard 15e 

●Nouveau Realisme
 50年代終わりから60年代半ばにかけてフランスで起きた芸術の動き「新リアリズム」を総括する。アルマン、セザール、ニキ・ド・サンファールなど。雑然としていて、デパートに紛れ込んだよう。個々の作家の回顧展の方がずっと面白い。7/2迄(火休)。
Grand Palais : 3 av.du General Eisenhower 8e
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