昨年は6本、今年はわかるものだけですでに9本の映画出演作を数えるカッド・メラ。43歳にして彼の突出した活躍ぶりは、売り出し中の若手スターも敵ではない。現在フランスでは、不条理冒険コメディ『Pur Week-end』が公開されたばかりだ。 出身はアルジェリアのシジベルアッベス。中学3年の時に学校で開催された演劇コンクールで拍手喝采を受け、人を笑わせる喜びに目覚める。思春期の頃からロックバンドを組んでいた彼は、91年にロック専門ラジオ番組Oui FMのパーソナリティに。そこでコミックユニットのパートナーとなるオリヴィエ・バルーと出会い、〈カッドとオリヴィエ〉を結成する。テレビでも人気を博した後は、徐々にソロでも映画界に進出するようになる。特に役者として転機となった作品が『Je vais bien, ne t'en fais pas』。お茶目なイタズラおやじのイメージを覆し、息子が失踪した家庭の大黒柱として、混乱する娘に対峙するシリアスな父を演じきった。本作品でセザール賞最優秀助演男優賞も受賞。「僕はミスフランスのようにこの一年間は受賞を祝い続けるよ」と喜びを隠さない。 今後は彼が最も好きだというジェームズ・スチュアートのように「軽さ」と「深み」が自然に同居する役者として才能を開花させてほしい。(瑞)