A Propos ニュース解説 On en parle ニュース Profil 話題の人
Balade 散策 Comment ca va インタビュー Societe 社会科 Enfant 子供 Corps からだ Decor インテリア Hexaponais アンケート Mode モード Sport スポーツ Flash パリのイベント情報 Infos Pratiques 生活情報
Art /Expos アート Cinema 映画 Musique 音楽 Theatre 演劇
Plat du jour レシピ・料理 Restos レストラン
質問掲示板 討論・意見交換版 登録型BBS
Dossiers du mois /Actualites Japoscope Clic Clac Rencontres
Cinema/Musique Japonais illustre Lecture Cuisine Japonaise
Chez toi お宅訪問 Lyceens 高校生 Lettres de lecteur 読者から Detour musical プレイスポット Livres 本 Medias メディア Quartier まちの風景
 
フランス女性の地位はいま…
男女平等原則に取り残されたシテの女たち。
mixite(混合性)とlaicite(非宗教)を原則に、シテ(郊外の団地区域)に住んでいる女性の人権擁護運動を展開している市民団体が〈Ni Putes Ni Soumises〉(同名著作の邦題では『売女でもなく、忍従の女でもなく』)。既製のフェミニズム運動が先細りになるなか、唯一元気のいいフェミニズム運動だ。代表のファデラ・アマラ氏にその背景や内容を聞いてみた。
 1970年代のフェミニズム運動でフランスの女性は男性と同じ権利を手に入れたが、それはシテにまでは浸透しなかった。とくに90年代に入って、シテの若者の失業率が40%に達し、移民出身者への差別、暴力などいわゆる「バンリュー」問題が噴出するなか、移民系住民の不平・不満は弱い立場にある者、女性に対して吐き出された。そこにイスラーム過激派集団の影響が加わり、シテはフランスの法ではなく、族長制・家長制つまり男性が支配する共同体の法則が支配するようになり、結婚強制、女子割礼、親による女子就学拒否など女性の権利の「後退」が起こった。ただ、男尊女卑的な考え方は移民社会だけでなく、フランス人にもあるし、宗教だけの問題ではないことはことわっておきたい。
 〈Ni putes ni soumises〉誕生の発端は、2002年10月にパリ郊外ヴィトリー・シュル・セーヌのシテのゴミ置き場で生きたまま焼き殺された19歳のソアーヌの事件をきっかけに、シテの女性の状況に警鐘を鳴らすために7人の若者が翌年の2月から全国行脚に出かけたこと。これを引き継いだのが私たちの団体。「国際女性の日」3月8日にはパリで3万人規模のデモに膨れ上がり、メディアや政治家にも注目された。抑圧される女性の自立を助けたり、学校での講演を通して若者に啓蒙活動をしたり、国に対策を訴えるのが私たちの運動だ。今では全国に64カ所の支部を持ち、欧州やアフリカ、中東、南米など同じような問題に苦しむ世界の女性と連帯して、国際的な運動に発展させようとしている。
 シテでの男女平等を推進するには、国が断固とした姿勢で臨むことが必要。政府にはすべての選挙でパリテを徹底させ、男女の給与の平等も徹底させることを要求している。また、〈Guide de respect〉という手引書を作って学校や大学に赴き、性別にかかわらずお互いを人間として尊重することを教えている。2005年、パリ本部に依頼されただけで、学校で880件の講座をした。こうした教育を通して、処女性の強制や、ミニスカートをはくと売春婦扱いする男の子のメンタリティーを変えていこうとしている。
 また、〈Ni putes ni soumises〉では困難を抱えた女性の相談を受け付ける常設の窓口があり、法的・心理的サポートを行っている(たとえば、2006年に受け付けた相談の18%は結婚強制の問題)。女性が親から結婚を強制されたり、暴力を受けて家を出た時の緊急シェルター施設が圧倒的に不足している。私たちは彼女らが自立して社会に復帰できるよういろいろな面で支援している。
 私自身アルジェリアの文化を大切にしているし、文化的アイデンティティは大切だけれど、女性を抑圧するようなアルカイックな伝統は受け入れられない。スカーフの問題を単に文化の違いとして寛容すべきという<文化的相対主義>には賛成できない。スカーフは女性を抑圧するものでしかない。私はイスラーム信者だけれども、私にとって信教はごく私的な領域であり、社会の法則としては自由・平等・博愛と政教分離という共和国の原則を尊重する。中学校での講座で最近、男の子の態度が変わってきたのを感じることもあり、将来には希望を持っている。




3月7日に行われた〈Ni putes Ni soumises〉主催の討論会。


専業主婦への回帰?
 女性は結婚したら家庭に入るというのが一般的だったのは1960年代まで。70年代後半からは子供がいても女性が働くのは当たり前、というこの国で、専業主婦(femme au foyer)は少数派だ。はっきりした統計はないが、INSEE(国立統計経済研究所)の2002年3月の調査によると、学業も続けず、退職者でも求職者でもない15〜64歳の無職者は460万人でこの年齢層全体の12%。うち79%が女性で、そのうち83%がカップルで暮らしている。これを計算すると300万人。この数字がほぼ専業主婦の数に匹敵すると考えていいだろう。また、男女含めた無職者は20〜29歳で5〜7%、30〜49歳で10〜12%、50歳以上で15〜20%近い。つまり、50代以上の世代や子育て世代に専業主婦が多いと考えてよさそうだ。
 フランスでは専業主婦はネガティブな意味にとらえられることが多い。ところが、米国でヒットしたTVシリーズ『Desperate housewives(絶望的な主婦たち)』の人気のせいか、フランスの新聞・雑誌で昨年あたりから専業主婦について書かれた記事も見かけるようになった。2006年10月5日付レクスプレス誌の〈Adieu bureau, bonjour berceau〉と題された記事には、高学歴で責任ある仕事を持つ30代の女性が子育てを理由に仕事を辞めるケースを挙げ、近年こうした事例が増えているという社会学者のコメントを載せている。仕事と家庭の両立が難しい、子育てに専心したい、自分の時間も持ちたい、と理由はさまざまながら、「自分の自由な選択」として仕事を辞めたと口をそろえる。
 主婦の間のコミュニケーションを図るサイトやブログもある(femmeaufoyer.netなど)。ブログを主催するある主婦は、「主婦は100の職業に匹敵する。私は家事、子育て、趣味、ブログに忙しく、アクティブな主婦」と非常にポジティブだ。「専業主婦」がフランスで市民権を得ようとしているのか。
Back | top