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パリの子育て・親育てー 32
食い意地なら負けません。
 ミラは甘いものが大好き。時々、どうしてこんなに食い意地が張っているのか驚いてしまうこともあるほど。それは多分、ジルがミラには体に良いものだけを与えたいという思いから、BIO製品以外の菓子を買い与えなかったせいかもしれない。パーティに呼ばれて普通のお菓子を前にした時、ミラはここぞとばかりにお菓子を頬張る。その顔は頬袋を持ったシマリス並だ。おかげで仲良しのクララの家に遊びに行った時、ミラの食い意地を目にしたクララのパパに「食べ物を与えてないの?」と笑われる始末だ。
 それでもこの食い意地は便利なこともある。ジルは「体に良くない」と嫌がるが、私は楽をするため朝食に市販のコーンフレークを出すことがある。そんな時はどんなに熟睡していても、ミラの耳元で「コーンフレークがあるよ。起きないと食べちゃうよ」とささやけば、必ずぱっと起きてくれる。これで遅刻知らずというわけだ。
 だが先日のこと。真夜中にミラが突然目を覚まし、「ガトー・ア・ラ・フレーズ!(イチゴケーキ)」と連呼しながら泣き出した。フランス語の寝言の出現に日本人母としては軽い敗北感を味わいつつ、同時にあまりの彼女の食い意地っぷりに正直あきれてしまった。しかも寝ぼけて、私の顔を見ながらしきりに怒っている。私が夢でイチゴケーキを横取りでもしたのだろうか。どうせ、母は万年汚れ役なのだ。(瑞)

●狩猟と人間の関係を考えよう
 マレ地区にあるMusee de la chasse et de la nature(狩猟と自然博物館)が工事を終え新装オープン。この博物館は、狩猟好きで動物愛護家のフランソワ・ソミエ夫妻が築いた財団の収集品を基に、動物の剥製、猟銃や狩猟用小物、狩猟をテーマとしたタピスリーや絵画、版画、彫刻、動物をモチーフにした陶器などの工芸品に加え、現代美術作家たちの作品など豊かなコレクションを誇っている。
 大きな階段を上ると白熊の剥製が「ようこそ」と迎えてくれる。一緒に行った娘、その友だちたちの「わー!」という歓声で見学が始まる。奇妙なオブジェを集めた薄暗い小展示室、壁中がデポルトやシャルダンの絵で飾られている広い部屋、cabine(小部屋)の次にはsalon(広間)というふうに、17世紀の館の構造が展示にアクセントをつけている。 こうして見ていくと、狩猟の形態も変化してきたことがわかる。「生き延びる」ための狩りが「趣味と娯楽のため」になるのはやはりルネサンス時期だろうか。狩猟をテーマにした絵画作品が登場し始めるのはそのころからだ。
 狼、猪、犬、馬など動物別にテーマを与えられた展示室にある小さなタンスの引き出しを開けると、中には各動物の習性の説明、おとぎ話、糞、足跡、動物の映像などの情報が詰まっていて、幼い子供の好奇心を五感からくすぐる工夫がされている。軍事博物館からの寄贈品を加えた猟銃コレクションの部屋も圧巻で、娘の友人ははじめ「怖い!」と顔を背けていたのに、しまいにはほどこされた細工の繊細な美しさに見惚れていた。 人間は自然の中で常に動物たちと共存してきた。そのことを忘れず、子供たちにも楽しく見学してもらいたい。(海)
Musee de la chasse et de la nature :
62 rue des Archives 3e 01.5301.9240
火-日11-18h、月休。
3€-6€(12歳以下は無料)。
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