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Guy SAVOY 料理人
左岸で画廊をはしご。

 「その知らせを受けた時、思わず大泣きしてしまったよ」と、穏やかな笑顔で語るサヴォアさん。フランス料理界を代表するシェフの一人として、第一線で活躍してきた。1980年に独立して以来、ミシュランガイドから翌年に最初の星を、4年後に2ツ星をとった後、17年もの間待ちに待って、ついに2002年、念願の3ツ星を獲得した。サヴォアさんの店は、高級レストランの激戦区といわれる17区の、エトワール広場から目と鼻の先のトワイヨン通りにある。そこは凱旋門から放射線状に延びた、ワグラムとマクマオン大通りを結ぶ小路である。そして、住まいも同じ通り。
 シャンゼリゼの喧騒と隣り合わせの生活は、さぞかし疲れるでしょうとの質問に、「日常生活の全てが、徒歩圏内でおさまる便利さと、高級感と商業的な面が共存する快適さがある」と言う。それに「文化を肌で感じたくなったら、左岸に出て、ゲネゴー通りからキャロ通りをぬけて、セーヌ通りへ行くんだ」。小さな画廊をはしごしながら、現代アートやアフリカ美術に触れるのが趣味。パリを歩くのが好きなサヴォアさんが最も惹かれるのは、歴史を感じさせる門や、美しい装飾の施された建物の扉だ。パリを一番良く知る方法は、歩くことだという。「カルーゼル、サン・ドニ、サン・マルタンなどの美しい門を、数珠つなぎに歩いてみてはどうだろう」
 食いしん坊でいながら、体のラインを保つ秘訣は「運動とダイエット」にあると言いきる。確かに。ご本人は、毎朝1時間、レストランと同じ通りにあるジムで、カンフーの稽古に励んでいる。「戦う」スポーツが好きで、大のラグビーファンでもある。日常の買い物は、テルヌ駅近くの華やかな商店街ポンスレ通りが定番だ。といっても自宅で腕を振るうのは、もっぱら奥さんの役目で、野菜料理やタルトやジャムの名人であるそうだ。高級レストランで味わうことは、「オペラや観劇に出かけるのと同じで、3、4時間の至福の時を過ごすこと」。また「車好きがフェラーリを求めるのと同じ、究極の喜びを求める感覚ではないか」と考える。
 毎年、ミシュランガイドの出るこの季節、悲喜こもごものドラマが待っている。リヨン南のブルゴアンで、小さなレストランを切り盛りしていた母の影響で、料理をはじめて40年。今年で54歳を迎えるが「80歳までは現役で、調理場に立ち続けるつもりだよ」と語ってくれた。(咲)

●La Palette
 「この辺りに来たら、必ずここのテラスに座りたくなる」とサヴォアさん。80年近く続く老舗のカフェで、レトロなビストロ風の店内には、ぎっしりと油絵が飾られている。美術学校に近いこともあり、昼も夜も、画学生や画廊主でぎゅうぎゅう詰め。エスプレッソは3€、ペリエ、やフレッシュジュースは5€。冬場でも、暖房のきいたテラス席で、ランチや午後のひと時を楽しめる。
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