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ドライフルーツをたっぷり使ったケーキ。
Galette aux fruits secs

 オレンジ色がきれいなアプリコット、黒ずんだ紫色のプルーン、平べったくなったイチジク、明るい褐色や黒いレーズン、アーモンド、ピスタチオ、松の実、クルミ、ピーナッツ…といったドライフルーツや木の実は、フランスではまとめてfruits secsと呼ばれる。ビタミン、ミネラルに富んでいる健康食品だ。何種類か買って常備しておくと、おつまみやちょっとおなかがすいた時などに重宝する。
 干しアプリコット、干しプルーンpruneau、ピスタチオ、アーモンドを使ってケーキを焼いてみよう。殻から出したピスタチオ、細いせん切りにしたアプリコット、種をとってからやはり細いせん切りにしたプラム、それぞれ20グラムと、よく洗ってからおろしたレモン1個分の皮をボールにとり、ラム酒やコニャックを大さじ1杯加え、1時間寝かせておく。
 別の大きなボールに卵を2個とり、砂糖50グラムを加え、泡立て器を使って、全体が白っぽくなるまで勢いよく混ぜ合わせる。さらに粉状のアーモンド50グラム、コーンスターチ20グラム、塩ひとつまみを混ぜ入れたら、溶かしバター60グラムとドライフルーツを加えて全体を大きく混ぜ合わせる。かき混ぜすぎると焼き上がりにふくらみが出ないので要注意。
 オーブンの目盛りを160度に合わせて点火。
 テフロン加工してある直径20センチ、高さ5センチくらいの型にバターを薄く塗る。
それでもくっつくのが心配な人は、直径20センチの円に切り抜いた硫酸紙を型の底に敷くといいだろう。スライスアーモンドをまんべんなく散らしてからケーキの生地を流し入れ、熱くなっているオーブンへ。30分くらいで焼き上がる。少し冷ましてから型から抜き、きれいな色に焼き上がったアーモンドの側を上にして食卓へ。やや冷めた方がおいしいものだ。食後のデザートにもいいし、ティータイムのお供にも最適。ドライフルーツは、他にレーズンでも、イチジクでも、洋ナシでも、好みでどうぞ。(真) 
殻から出したピスタチオ30g、干しアプリコット20g、干しプルーン20g、レモン1個、粉アーモンド50g、スライスアーモンド30g、卵2個、砂糖50g、コーンスターチ20g、バター70g、ラム酒大さじ1杯、塩

●クルミ noix
今年も隣の家のクルミの木から、わが家の庭にクルミが落っこちた。黒い皮を取り除いて収穫したら4キロくらいになった。この黒い皮、染料にもなるくらいだから、拾う時にはズボンなどにシミをつけないように気をつけよう。さっと表面を洗ってから乾かし、かごに入れて食卓脇にクルミ割りと一緒に置いておくと、ビールやウイスキーのおつまみなどに最高だ。殻をむいてから、くだいたロックフォールチーズなどと一緒にアンディーブのサラダに加えれば、冬ならではの素敵なサラダ。こんな時、クルミをオーブンに入れて、焦がさないようにしばらく煎ってから冷ますと、さらに香りが増す。ドレッシングの油はやはりクルミ油huile de noixを使いたい。515号で紹介したクルミのケーキも素晴らしい。

●松の実 pignon de pin
10年ほど前に、コルシカの海岸沿いでバカンスを過ごしたことがあった。浜は松の林に縁取られていて、大きな松ぼっくりが音を立てて落ちる。何かを拾っている人がいる…それが松の実だった。ミントティーに入れたり、ごはんやパンに加えたり、ケーキに混ぜ入れたり、あるいはペースト状にしたフェタチーズと一緒にブリックの皮で巻き込んで揚げたりする。これも軽く煎ってから使うと香りが倍増する。

●硫酸紙 papier sulfurise
硫酸処理された紙で、ロールになって市販されている。使い方はパラフィン紙と同じ。今回のレシピでは、生地がくっつくのを防ぐために、オーブン型の底に敷いたが、ハサミでジョキジョキと鍋の形に合わせて切って落としぶたのかわりにもする。熱に強いだけでなく、バターや油を敷かなくても食材がくっつかない、というのが最大の利点。シュー生地を置いてオーブンで焼いたり、魚をくるんで包み焼きにしたり、と用途が広い。
●クルミ油 huile de noix
 クルミの実をきめ細かく挽いてから圧搾して作られるクルミ油は、アンジューやペリゴール地方の名産として知られている。ほかの油と比べると値段は少々張るけれど、その特有の香りは貴重なもの。揚げ物や炒め物には不向きなので、料理の仕上げに振りかけて香りをきかせたり、クルミ入りのサラダだけでなく、さまざまなサラダのドレッシングとして効果的に使いたい。エシャロットとの相性もいい。香りが強すぎるという人は、大豆油やヒマワリ油と半々にするといいだろう。古くなると酸味というか苦みが強くなってくるので、小瓶で買って早めに使い切ることが大切だ。(真)

F R O M A G E
●Saint-Felicien
 12区にあるお気に入りのワインバー〈バロン・ルージュ〉で出てくるサン・フェリシアンは、ヴァシュランのようにとろけそうな風味が素晴らしく、ついついワインがすすんでしまう。
 直径10センチ、高さ1センチちょっとで、これよりやや小振りのサン・マルスランに外見も味も、とてもよく似ている。どちらもローヌ・アルプス地方で作られている、自然な表皮を持つ柔らかな身のタイプのチーズ。以前は山羊乳だったが、最近はサン・マルスラン同様にほとんどが牛乳製になってしまった。一度は中身が流れ出さないように陶器やプラスチックの皿に収められて市販されている。
 クリームが添加してあるので、乳脂肪分が60%あり、どこまでもまろやかでクリーミー。チーズ通を自認する人には、少々物足りない味かもしれないが、チーズの初心者にぜひおすすめしたい。田舎パンなどに厚く塗って味わいたい。
 ワインはロワールやボージョレのガメー種の軽い赤でもいいけれど、カンシーのようなフルーティーな辛口の白ともよく合う。(真)

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