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「ドン・キホーテ」団体はSDFを救えるか?
 12月16日、「ドン・キホーテの子供たち」と名乗る青年らがサンマルタン運河沿いに250余りの赤いテントを張り、一晩でも二晩でも、ホームレス(SDF)が送っている凍える路上の生活を体験しよう、と市民に呼びかけた。
 SDFへのこの連帯運動の発起人、俳優のオーギュスタン・ルグラン(31)さんは、一年前から世界の医師団がSDFたちに供給しているテントが、環状道路や広場、セーヌ岸や街角に増えていくのを見るにつけ、これがいつまで続くのかと政治への怒りが爆発したという。
 ドン・キホーテ。広辞苑によると、「現実を無視し独りよがりの正義感にかられ向こう見ずの行動に出る人物」、ルグランさんたちの行動を、当初ヴォトラン社会団結担当相はハプニング風「幻惑的行為」と見なし一蹴した。
 彼らが提示した「カナル・サンマルタン憲章」は、収容施設が無休24時間態勢で受け入れることと、緊急収容施設の増設を要求。「赤いテント」運動はリヨン、マルセイユと地方都市にも飛び火し、連帯意識の市民への波及を恐れてか政府は緊急対策を発表した。収容施設の従来の受入れ時間20h〜翌8hを17h〜翌9hに延長、週末は24時間開放。2カ月以内にさらに4千人、年内に1万人収容できる施設の増設と、家族用宿舎の現在の許容人数3千人を1万2千人にするなど一部要求に応える。
 今日フランスで住居を持たない人は約8万6千人(未成年者1万6千人)。そのうちの37%は市が家賃負担のアパートに。36%は長期収容施設、14%は夜間収容施設に。5%は市が宿泊代負担のホテル住い。残りの8%、約7千人(10%は外国人)が路上生活者SDFだ。
 が、これらの数字には、友人宅や家族の家に寄宿する者やキャンピングカー、自動車内で寝起きする者などは含まれていない。地域の公営住宅占有率20%を守らない県が多く、低家賃住宅HLMに申請中の130万所帯も住宅難にあえいでいる。また離婚・独身母子家庭など家賃も払えない貧困層の裾野が広がっている。
 最近のBVA-Emmausの統計によると、市民の48%(35〜49歳は62%)がいつかSDFになる可能性があると答えている。以前は歩道の換気口の上か地下鉄構内で寒さを凌いでいたSDFたちが、テントで暮らすようになって以来、否応なしに市民の目に入る存在に。
 過去も個性も消しざるをえないSDFの声に耳を傾ける糸口を与えたのが「ドン・キホーテの子供たち」だったといえる。1954年2月の寒波から貧困者を救うためにラジオで市民に訴えたピエール神父が思い出される。(君)
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