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—国民議会—
名物議長が気になる。
 税金は払っても選挙権はなし。しがない移民在仏日本人の私としては、国民議会(Assemblee Nationale)や元老院(Senat)の建物の前を通りかかっても、「仰々しい建物や」と他人事の目で眺めてしまうだけ。これではいけない。少しは関心を持たねばと、今回は国民議会に潜入する。国民議会とは、ご存知、元老院とともに国会を成す立法機関。ただ国民議会の方が、両者の見解が異なる場合に最終決定権を持っている分優位。場所はコンコルド広場からセーヌを挟んで向い。ギリシャ風円柱が神々しいこの建物は、もとはルイ14世の娘ブルボン公爵夫人の宮殿。だから今でも「ブルボン宮」と呼ばれることが多い。
 入り口でセキュリティ・チェックを受けた後、15時より始まる審議を見学。ジャーナリスト用天井桟敷席から、半円形の大会議室を見下ろす。代議士の座席の赤色が、大理石円柱や超大判タピスリーとともに、おフランスらしい格式を醸し出す。雰囲気に圧倒されているうちに、議長(プレジデント)のデブレ氏が中央演壇から開会を宣言。代議士らは、議長側から見て文字通り右派が右側、左派が左側に座っている。代議士の男女比率は五対一くらい。代議士らが政府に向け質問を投げ始める。まもなく社会党のバプト氏が立ち上がり、「私は首相に向けて質問している、だが首相は今日も昨日もいない!」と糾弾体勢に。すると議長も負けじと、「親愛なる同業者君よ、いつものことではないか、挑発は止めなさい、昨日も言ったよ」「いや、昨日は事情があったから許せるが今日は違う。首相は最低週に一度は来るべきだ!」。すると、どこからか「オー!」と反感の声が漏れる。そんな丁々発止の合間もゆっくり新聞を読む者、お喋りに興ずる者も多い。一番真剣なのは、蚊帳の外の天井桟敷の見学者たち。だが、さすがに日本の国会中継で見たように、居眠りする議員はいない。私は代議士たちの言葉遣いと話題に全くついていけないのだが、それでも楽しく見られてしまうのは、議長の力か。ヤジを飛ばす代議士には名指しで「そんなことしても意味ないよ」とかわし、拍手を多く受けた代議士に対しては、「あんた、人気あるよね」とにんやりコメント。なんだか、国の運命さえも影響しかねない長老議長の軽妙な存在感が、妙に気になったのであった。(瑞)








Assemblee Nationale : 128 rue de l'Universite 7e

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