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実験的な小品群が面白い。
"Maurice Denis"
 ナビ派の画家、モーリス・ドニ(1870-1943)の35年ぶりの回顧展が、油彩約100点を集めてオルセー美術館で開かれている。ドニの写真展、デッサン展も同時開催。オルセーにあわせ、サンジェルマン・アン・レーのモーリス・ドニ美術館でも、未公開のデッサン150点が展示されている(1/21迄)。
 ドニは、フランスよりも日本でのほうが人気がある。同じナビ派のボナール、ヴュイヤールのファンが多いのと似ている。しかしこれは、ドニの制作活動の大きな部分を占めていた宗教画を故意に無視した上での人気ではないだろうか。
 カトリックの信仰が篤かったドニは、自分が生きた時代の風俗に合わせて聖書の題材を描いた。けれども、信仰が篤いことと、宗教画に秀でることとは違う。信仰心から宗教画を多く描いた画家の中には、ジャンルが合わなかったとしか言えない人たちがいる。ドニは、その一人ではないかと思う。会場入り口近くの作品では、宗教的テーマが象徴的に表されていて詩情があるが、後の作品になると妙にリアルで、人物が画面に張り付いてしまい、生気が感じられないうえ、色も次第にキッチュになっている。
 一番面白かったのは、会場中ほどにある実験的な小品群だ。ナビ派の画家たちは毎月集まって、このような小品で新しい研究成果を見せ合ったという。いろいろな方向に発展する可能性が感じられるし、絵から物語が自然に出てくる。ドニがこの可能性を追求する方向に向かわなかったのが残念だ。(羽)
オルセー美術館。1月21日迄(月休)。

Lever de lune au Prieure 1894
Collection particuliere
CR : ADAGP, Paris 2006

●Robert Rauschenberg : Combines
 日常のオブジェ、剥製、写真などのさまざまな素材を、コラージュ、塗り、アサンブラージュのテクニックで扱い、絵画と彫刻の境界を取り払って、現代美術史上に画期的な痕跡を残したラウシェンバーグ(1925-)の、1954年から61年までに制作された50点。1/15迄(火休)。
ポンピドゥ・センター

●William Hogarth (1697-1764)
 優れた肖像画家であり、時代に対する風刺とユーモアの利いた作品を生んだイギリス人画家の、フランス初の展覧会。油彩45点、版画40点。1/8迄(月休)。 
ルーヴル美術館

●Joel Meyerowitz : Out of the Ordinary

 カルチエ・ブレッソンの後継者といわれ、70-80年代のニューヨークを生々しく捉えた、カラー写真の名匠の回顧展。120点。1/14迄(月休)。 
シュリー館 : 62 rue Saint-Antoine 4e
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