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香ばしいアーモンドが川魚の味を引き立てる。
Truite aux amandes

 パリの魚屋に年中置いてあるニジマスは養殖ものだから、値段もキロ8ユーロ前後と安いけれど、川魚ならではの匂いとかすかな苦みがあるのがうれしい。その身も柔らかいけれどかたくずれしないから、調理もむずかしくない。4尾買ってこよう。ほとんどのニジマスはハラワタがとってあるが、冷水で腹の中をよく洗って血を丁寧にとり除きたい。クッキングペーパーを使って腹の中だけでなく皮の表面のヌルヌルもよくぬぐっておく。
 ボウルに牛乳を1カップとり、塩、コショウで味を付けておく。大きめの皿に小麦粉をとり広げておく。ニジマスを両面牛乳にさっと浸してから、小麦粉をまぶし、余分な粉を、はたいて落とす。
 一度に焼けるようになるべく大きめのフライパンにバターを大さじ2杯とり、中火にかける。バターが泡だってきたら、魚を加える。片面7分ほど焼いてきれいな焼き色をつけたい。フォークを突き刺してひっくり返したりすると、ニジマスのうま味が流れ出してしまうので、フライ返しなどで丁寧にこの作業を行いたい。かりっと両面に焼き色がついたら熱くしておいた皿に盛り付ける。
 厚めの小鍋にバターを大さじ2杯とり弱火にかけ、アーモンドを加える。均等に軽く焼き色がつくように、混ぜ合わせつつ火を通すのだが、アーモンドが粉々になってしまわないように気をつけよう。焼きすぎて黒く焦がしてしまうと苦みが出るので、目が離せない。このアーモンドをニジマスの上に散らし、レモンを添えて食卓へ。付け合わせはジャガイモがいいだろう。バター味が大好きな人には、バターを溶かし、表面に浮かんだ不純物をとりのぞいた澄ましバターbeurre clarifie、刻んだパセリを混ぜ入れたものを添えればいいだろう。
 ワインは、リースリングのようなアルザスの辛口の白だ。(真)
ニジマス4尾、スライスアーモンド50グラム、牛乳200cc、バター大さじ4杯、レモン、小麦粉、塩、コショウ

●アーモンドamande 
 アーモンドは、フランスでも南仏やコルシカ島で栽培されているが、その多くはイタリア、モロッコなどから輸入されている。6月、7月には緑色のビロードのような柔らかな皮におおわれた生アーモンドが売られるが、消費のほとんどは乾燥アーモンド。
 丸ごとアーモンドamande entiereは、そのままアペリチフのお供(軽く煎るとさらにうまい!)。チキンのタジンやハト料理に加えても素晴らしい。こんな時、茶色の渋皮をむいた方が味がよくなるが、1分ほどゆでると面白いようにむける。これを冷水に漬けて1日ほどおいてから味わうと、生アーモンドのようなおいしさに戻る。今回のレシピで使ったスライスアーモンドamande effileeは、ビスケットを焼く時に加えられたり、さまざまなデザートで活躍する。粉アーモンドamande pileeは、596号でブランマンジェを作った時に使ったが、お正月のガレット・デ・ロワに入るフランジパンというクリームにも欠かせない。

F R O M A G E
●Banon
 栗の葉で包まれラフィア椰子の繊維で縛ってある、直径8センチ、高さ3センチほどの小型のチーズがバノン。南仏のアルプ・ド・オート・プロヴァンス地方で作られていて、乳は、季節によって山羊乳だったり羊乳だったり牛乳だったりする。初夏から秋にかけては山羊乳のものが多い。栗の葉にまだ緑が残っているバノンはハシバミ風味でミルクの香りだけれど、葉が褐色になったものは熟成も進んでいて、葉を広げるとかなり強い匂いが立ちのぼり、味も複雑なうま味を持っている。ワインはプロヴァンス地方の白や赤でもいいし、もうすぐ解禁のボージョレ・ヌーボーも悪くないなあ。

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