Jean-Marc Barr (1960-) ジャン=マルク・バールは自由の狩人だ。映画『グラン・ブルー』旋風が吹き荒れたのが1988年。伝説のフリー・ダイバーに扮しキラキラ瞳で無垢な魅力を振りまいた彼は一躍時の人に。だが周りが勝手に貼り付ける理想の男性像を払拭しながら、以後は自分にとっての映画を自由に追い求める。アメリカ人父とフランス人母を持つハーフだから、次は誰もがハリウッドかと思ったが、矛先はインディペンデント界に向かった。
1991年、鬼才ラース・フォン・トリアーと意気投合し、映画『ヨーロッパ』に主演。以後もトリアー監督のもとで、禁欲的な規則に沿うことで作家性を際立たせる映画運動「ドグマ95」の薫陶を受ける。俳優の活動(髪が薄くなってからはホモセクシャル役がはまり役?)と平行しながら、2000年には『ラヴァーズ』で念願の監督デビュー。デジタルカメラの自由さを享受し、続く『Too Much Flesh』、『Being Light』と「自由についての三部作」を完成。そして思春期の性を見つめた4作目の『Chacun sa nuit』でも、自由への希求を胸に、常に「ノーマルさとは何か?」と問い続ける。近日公開の出演作はトリアーの『The Boss of all』とアルノー・デ・パリエールの『Parc』と、両者とも期待度が高い。(瑞)