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アンコウの肝をフランス風に料理してみた。
Foie de lotte poele
 今年の夏も、ブルターニュ地方、フィニステール県の大西洋沖に浮かぶウエサン島で2週間を過ごした。この島には一軒だけ魚屋がある。漁師の奥さんが、その朝獲れたサバやカニを売っている小さな露店だけれど、その活きの良さには舌を巻く。昨年は安くわけてもらっていたアンコウの肝が、今年はキロ8ユーロできちんと店頭に並ぶようになった。700グラムくらいの大きな塊を一つ買ってきた。
 昨年は生のままをバターでソテーして味わったが、今回は一度クール・ブイヨンでゆでてから冷まし、ニンニクの香りをきかせてオリーブ油で炒めてみることにした。
 まずクール・ブイヨンを準備する。鍋にアンコウの肝がかぶるくらいの量の水をとり、タマネギやニンジンを薄く切ったもの少々加え、レモンの搾り汁やビネガーの酸味をつけて、塩、コショウし、20分沸騰させてから冷ましておく。冷めたら肝を加え中火にかける。沸騰してきたら弱火にし、4、5分もゆでたら火から下ろす。肝の一部が美しいオレンジ色に変わっているだろう。そのまま冷ます。
 次はソースの準備。小鍋にバルサミコ酢と白ワインをそれぞれ大さじ3杯、ハチミツを小さじ1杯とり(ウエサン島ではブラックベリーのジャムを使った!)、軽く煮詰めてから塩、コショウで味を調えるだけだ。
 冷めた肝を慎重に取り出し、クッキングペーパーで水気をよくぬぐい、1.5cmの厚さに切り分け、塩、黒コショウを振る。フライパンにオリーブ油をとり中火にかける。皮をむいてから四つに切り分けたニンニクを加えてころころ転がし、いい香りがたってきたら取り出し、アン肝を加える。両面にきれいな焼き色を付けたいものだ。これを皿に盛り付け、そのまわりをソースで飾りたい。香り高いアン肝と甘酸っぱいソースの組み合わせは抜群。ワインはモンバジヤックなどの甘口の白はどうだろう。(真)
アンコウの肝、クール・ブイヨン、ニンニク2片、
オリーブ油、塩、コショウ
ソース:バルサミコ酢、白ワイン各大さじ3杯、
ハチミツ小さじ1杯、塩、コショウ

ウエサン島のおすすめ料理

●伊勢エビのグリル
ウエサン島や隣のモレーヌ島では伊勢エビlangousteやロブスターhomardが獲れる。1.5キロの伊勢エビを買ってきた。二つに割ってからオーブンで焼こうと思ったが、ぴんぴんと飛び跳ねて力負けしそう。そこで大鍋にたぎる熱湯に放り込んで、見るのもコワイからフタをした。1分以上経ってようやく動かなくなったところを大包丁で二つに割った。オーブン用の皿に入れ、オリーブ油を塗り、塩、コショウし、オーブンの上火でグリル。流れ出るミソがぱさぱさにならないように周りに白ワインも注いだ。これが絶品のソースに!

●カニの塩ゆで
ウエサン島の魚屋では毎日カニtourteauが手に入る。ただあまりにも活きがよいから、ハサミや足をよほど頑丈に糸で縛りつけておかないと、ゆでようと鍋に入れたとたんに暴れてバラバラ死体。ゆでる時の塩加減は海水の塩辛さ。海が近くなら、きれいな海水を使えばいい。ゆで時間はカニの大きさ次第だが、20分前後。冷ましてから、食べやすいようにさばいて食卓へ。レモンや手製のマヨネーズを添えたい。

●燻製風味のソーセージ
ウエサン島では枯れ草で、モレーヌ島では海草で燻したソーセージが作られている。ボクは、モレーヌ島産の方が燻製度が適度でうまいと思う。大きく切ったニンジンやジャガイモ、クルジェットをソーセージと一緒に鍋にとり、ひたひたに水を張ってゆで上げるだけだ。押しつぶしたニンニクやブーケ・ガルニを加えたらさらにうまい。























●クール・ブイヨン
 魚介類、子牛や子羊の脳ミソなどをゆでたりするダシがクール・ブイヨン。甘みを出すためにニンジンやタマネギの薄切り、ブーケ・ガルニ、コショウやクローブなどのスパイス、ビネガーやレモンなどを加えながら自慢のクール・ブイヨンを工夫しよう。20分ほど沸騰させてから冷まし、魚の上からかけてゆで上げる。残ったクール・ブイヨンをスープに転用する時は、水と白ワインを半々にするとおいしくなる。ヒラメ類や燻製のハッドクをゆでる時は、水と牛乳を半々に。(真)

F R O M A G E
●Morbier
 身の中央に濃い灰色の線が走っているので一目でわかる、スイスも近いフランシュ・コンテ地方の山地で作られている牛乳チーズがモルビエ。直径40センチ、高さ8センチ、6キロから8キロほどの大きなチーズなので、好みの大きさに切り分けてもらって買ってくる。加熱せず圧搾してあるだけのクリーム色の身は、弾力があり、木の実を思わせるまろやかな風味で、子供たちにも人気があるし、チーズ初心者にもおすすめだ。ピクニックの時など薄く切ってサンドイッチに挟んでもおいしいものだ。食べごろは、2、3カ月の熟成を終えた夏から冬にかけて。
 このチーズは、この地方の名高いチーズ、コンテを作った後に残ったカイエ(凝乳)から作られ、次の残りを重ねる前に、虫が付かないように鍋底の煤を塗ったので、黒い線が走るようになった。現在では形を整えた後のチーズを二つに切り分けてから、植物から作られる炭を塗っている。
 ワインは、ジュラ地方の上品でフルーティーな赤がいいだろう。(真)

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