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ルマンのMF、松井大輔選手に聞く。
2004年8月、京都パープルサンガから Le Mans Union Club 72に移籍した松井大輔選手は、すでに熱烈なファンの支援を受けている。松井選手の、これまでの経緯とこれからの目標について語ってもらいました。

C.ルブラン:ルマンに来られるまでのスポーツ面での経緯についてお話し下さい。
松井:ヨーロッパのいろいろなチームからオファーがありましたが、ルマンの当時の監督ジャンデュプー氏が、ぼくが入っていたU-21日本代表のビデオを見てくれて移籍が決まりました。

C.L.:松井さんはルマンに来る前に京都にいましたよね。過去にさかのぼりますが、サッカーを始めた時から京都でプロになるまでの経緯を話していただけますか。
松井:中学3年生の時に友だちに誘われてサッカーを始め、そのあと高校のサッカークラブ、そして京都パープルサンガに入団しました。

C.L.:ルマンに移籍してからポジションが変わりましたが、それに対する違和感はありましたか、どのように対応していったのでしょうか。
松井:初めて来たヨーロッパだし、生活の違いでかなり戸惑い、そういう面で苦労しましたが、サッカーの面ではみんながよくしてくれたので問題はなかったです。

C.L.:外部から見る印象では、日本のチームは真面目で規律がしっかりしていると思われており、逆にフランスの選手たちはも自由で楽しんでいるように見えますが、実際はどうですか。
松井:日本ではみんな生真面目だからそう見られてしまうのでしょう。その点、フランスのチームの方が開放的で、ロッカールームでの雰囲気もぼくは好きです。すごくうるさいですが。日本のロッカールームはたいへん静かです。

C.L.:90年代に『ミスター・ベースボール』という映画がありましたが、その中でアメリカの選手が日本に来てプレーし、雰囲気の違いにギャップを感じるのですが、同じような感じでしたか。
松井:楽しい時もあるし、ふざけるのはぼくも好きだし、うまくとけ込んでいけました。ぼくは京都の出身なのでふざけるのが好きで彼らとの違いはあまり感じませんでした。

C.L.:関東人よりも関西人の方がふざけるタイ
プの人が多いのでしょうか。
松井:そうですね。(笑)

C.L.:ルマンに来る前にフランスについてどのようなイメージを抱いていましたか。
松井:日本では、フランス料理もすごく高いので、フランスではすべてが高級という印象をもっていました。でも実際は日本とあまり変わらないし、お金をもっている人はもっているし貧しい人は貧しいし、日本とたいして変わらないです。

C.L.:フランスに来た時にカルチャーショックはありましたか。
松井:電球を替えられなかった時のショックは大きかったです。ネジ式で取り外すのがめんどうで、日本のはもっと簡単なのに。(笑)

C.L.:料理についても、日本で想像していたフランス料理とはかなり違うのではないですか。
松井:高級なフレンチというイメージをもっていたのですが、さほどがっかりしませんでした。おいしいものは本当においしいし、ぼくは好きです。問題はありません。

C.L.:パリには日本レストランがたくさんありますが、ルマンにはないので、そういう面で日本食が恋しくなることはありませんか。
松井:故郷の料理は恋しくなりますけれど、それはたいした問題ではありません。

C.L.:クラブと関係ないところで、チームメイトと一緒に食事をすることなどありますか。
松井:ぼくは大人数で食事をするのが好きですので、クラブ以外のフランス人ともよく食事をしたりしています。

C.L.:彼らに日本食を食べさせたりすることはありますか。
松井:ええ、ルマンの唯一の日本レストラン「夢」(*) に連れていくこともあります。彼らは初めて日本食を味わったのですが、みなおいしいと言ってました。彼らはなんでもいいんでしょうけど。(笑)

C.L.:2006年1月に、松井さんは日本人初のフランスリーグ月間最優秀選手に選ばれましたが、ジャーナリストやファンからこのような高い評価を受けたことにたいしどのように感じていますか。フランス代表でリヨンのシルバン・ヴィルトルドなど強力なFWもおり、彼らをおさえて松井さんが賞を獲得したのですが。
松井:ぼくを支援してくれた人々に感謝するとともに、この賞を得られたのは自分ひとりの力だけではないので、チームのみんなに感謝しています。

C.L.:松井さんは日本のメディアでたいへん話題にされています。フランスでも松井さんの存在が認められ注目され始めていますが、それにたいしてどうお考えですか。
松井:自分自身、結果としてはまだまだ満足しているとはいえません。もっとレベルアップして自分に厳しくしないと・・・。試合のたびに自分の欠点を感じていますし。

C.L.:ルマンのチームは2部リーグから1部リーグに昇格し、ヨーロッパレベルに接近しています。松井さんはご自分の得点結果に満足してないのですか。
松井:自分にたいしてすごく厳しいし、今日はここがだめだったとか反省し、自分で満足していてはいけないと思います。

C.L.:日本人は自分にたいして厳しいということで、監督はそれを理解しているのか、それとも松井さん自身は満足してなくても、監督はよかったと思っているのでしょうか。
松井:監督の考え方もあるし、不満であれば監督からの要求も増えるでしょう。監督の期待に応えられるようにしていきたいと思っています。

C.L.:フランスのメディアは松井さんのことを書く時によく"ルマンのプティ・ジャポネ"と呼びますが、どうお思いですか。
松井:あまり言ってほしくはないけれど、それが変わっていくことを願っています。

C.L.:最近ますます日本の選手が外国でプレーするようになってきていますが、松井さんとしてはどのような日本のイメージをフランス人に与えたいと思っていますか。
松井:日本人はいいやつだ、スポーツ面でも適応しやすいというイメージを与えたいと思っています。ルイ・ヴィトンなんかを買いに来る日本人もいるけれど、こうやってがんばってる日本人もいるというか、そういうやつばかりではない、と思ってもらいたいです。

C.L.:サッカー以外の面でフランスで起こっている若者のデモなどについて外国人として関心ありますか。
松井:一応どういう問題か分ってますが、ぼくはあまり気にしないですね。

C.L.:ヨーロッパにいる日本人選手との交流はありますか。
松井:むしろ友人としてつきあっている選手はいます。

C.L.:松井さんがサッカーを始めたころは、日本ではJリーグが生まれた時期で、そのころ欧米の監督や選手が来日し、自国のサッカーを伝えていた時期だと思いますが、彼らの影響を受けましたか。
松井:受けましたね。いろんな国のやり方があるな、という発見でした。日本の誰もがそれを感じたし、一流を見るということで良かったのではないですか。

C.L.:そのころのクラブや選手の中で好きだったのは?
松井:川崎ヴェルディで、選手としては三浦知良のファンでした。

C.L.:現在のJリーグを見ると、以前より外国人選手や、特に監督が減っていますが、松井さんはこの動きになにか意味があると思いますか。
松井:やはり選手も監督もそれだけレベルが上がってきていることではないですか。

C.L.:三浦や小野伸二のように海外でプレーしていた選手が日本にもどるというケースも出てきていますが、彼らは海外で体験したことをどのようにJリーグに伝えていると思いますか。
松井:後輩たちに自分が体験したことを体で示したり話したりするのは重要なことで、日本人選手がヨーロッパに行くことはたいへん意味があり、ぼくも日本に帰った時に教えてあげたいと思っています。

C.L.:現在の松井さんの目標はなんですか。
松井:まず日本代表23人の中に入りワールドカップで戦えるようになるということです。

C.L.:W杯予選で日本が属するFグループの対戦国にはブラジルなどが入っていますが、予選突破できると思いますか。
松井:今まで日本チームが言ってきたようにいい試合ができたとかではなく、進歩を、結果を問題にし、勝ちにこだわるチームになってもらいたいと期待しています。前回のW杯より今回の方が海外経験のある選手が多いので、それを実現できる可能性はあると思います。

C.L.:23人の中に入れる確率は?
松井:ジーコに聞かないと分らないです。

(聞き手:クロード・ルブラン)
*インタビューの仏語訳では一部省略してあります。


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