●オステンドの北海小エビ
今回紹介したゲント風ヴァテールゾイを味わったのは、北海に面した港町オステンド。ユーロトンネルができて以来、フェリーで英国に渡る人も大幅に減ってちょっとさびれた匂いを漂わせているが、それも悪くない。
ここで獲れる舌ビラメのムニエルのおいしさは名高いが、忘れてならないのが小エビ。パリで〈crevettes grises〉と呼ばれているものだ。これが波止場にある小さな魚市で山積みされて、1キロ8ユーロ前後で売られている。この市場の裏がちょうど船着き場になっていて、捕獲後すぐに船上の大釜でぐつぐついっている海水でゆで上げられ、さっと冷まされ、箱にあけられ、そのまま市場に並ぶのだから、うまくないのがおかしいくらいだ。ボクらは250グラム買ってビニール袋に入れてもらい、突堤の先にあるブラッスリーを目指して歩きながらつまみ食い。柔らかめの塩加減、むっちりしこしことした歯ごたえ…。いくらでも食べられそうだ。ボクらの周りに殻や頭が散らかってしまったが、カモメや小鳥たちがきれいに掃除してくれた。
オステンドのほとんどのレストランで前菜として出てくるのが小エビのコロッケcroquettes de crevettes。むき身の小エビが入ったクリーコロッケで、一人前10ユーロ前後と安くない。
そして小エビ入りサラダ。メグレ警視シリーズの著者ジョルジュ・シムノンは、長男の誕生を待ちながら、ビールを飲みつつ朝ごはんがわりに、大好物のこのサラダを食べたという。
●faire suer
時々フランス語のレシピに「faire suer les legumes pendant 10 minutes(10分間野菜に汗をかかせる)」と出てくる。今回のレシピのように、細かく切った野菜を油やバターでゆっくりと炒めて、その水分の一部を出させて、汗をかいたような状態にすることだ。
P R O D U I T ★★★Jean Claude et Nanou
ジャン=クロードさんとナヌさん厳選のオーベルニュ地方のソーセージやチーズなどが並ぶ店。アベイロンやコレーズ、カンタルなどの物産も扱っている。
まずはブダン(16.50€/kg)を購入。1人前約1.80€程度。こんがりとフライパンで焼いて、マッシュポテトを添えて食卓へ。ブダン特有のまったりとしたコクにタマネギの甘みが加わって病みつきになるようなおいしさ! そのまま食べられるアベイロンのブダン(20.50€/kg)もブダン風味のハムといった食感で美味。ひと切れ1eほど。ほんのひと切れでも嫌がらず売ってくれるご主人に感謝。燻製ソーセージ、モンベリアール(24€/kg、1本4€位)は、助言にならってレンズ豆と一緒に炊いてみる。お湯でゆでる場合もじっくりと時間をかけるのがコツ。穴はあけないこと。炊きあがったレンズ豆にソーセージの旨味も加わっておいしいこと。この次はキャベツと一緒に煮てみようかな。順番待ちの間に次々と売れていたウサギとセープ茸のパイ(3.10€)もサラダを添えてどうぞ。他にも試したい食材がいっぱいだ。(月)
46 rue Legendre 17e 01.4227.1508
8h30-13h/16h15-20h 日曜午後・月休
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