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クレマンソー、終焉の地にたどり着けるか。
 全長265メートル、総トン数2万6000トン、かつて〈海の要塞〉と呼ばれたフランスの花形航空母艦〈クレマンソー〉通称〈クレムClem〉。1961年に就航、97年に武装解除されるまで36年間、東西冷戦時代はもちろん、95年ボスニア戦争当時、バルカン沖に停泊しているだけで抑止戦略の一翼を担ったものだ。と同時に〈クレム〉は、60年代に建設されたジュシュー大学校舎と同様に、船体にアスベストが多用された空母としても有名だ。
 2003年6月、仏政府は同空母をスペインの船舶解体・鉄材回収会社に売却、同10月、アスベスト除去作業のため同国北海岸ヒホン港に向かうはずだったのが、なぜか途中でトルコ方面に方向転換。契約違反とみなした仏政府は、直ちに契約を解消、〈クレム〉を回収し軍港トゥーロンに帰港させている。
 最終的に老朽空母は、インドの船舶解体・鉄材回収会社SDIに売却。条件として、出航前にトゥーロンで可能なかぎりアスベストを除去することだった。仏国防省は、〈クレム〉に使われている約160トンのアスベストのうち昨年春までに115トンが除去され、45トンが残っているだけと発表。
 インドでは北西海岸アラング港でアスベスト除去と解体作業が行われる。現地の劣悪な労働条件と、アスベスト除去規定も存在しない国にフランスが廃棄空母を追いやることにたいし、環境保護団体グリーンピースやジュシュー・アスベスト反対委員会、アスベスト被害者団体などが反対行動を行っている。あるアスベスト除去下請関係者によると、船体の塗料から接着剤、床下、ケーブルまで入れると、アスベストを含む素材は500〜1000トンにのぼるとみられる。それらを含む老朽空母の輸出は、有害廃棄物禁輸のバーゼル国際協定に違反すると、反対団体は抗議する。
 だが12月30日、パリ行政裁判所は、彼らの〈クレム〉出航反対要求を却下した。大晦日に同空母は、オランダ系タグボート、スマトラ号に引かれ、時速8、9キロでインドまで8800キロの終焉の旅に出たのである。
 エジプトは1月16日、同空母はバーゼル協定に違反しないとし、スエズ運河の通過(通過税130万ドル)を許可したが、インド最高裁は、同空母のインド領域の航海と同国でのアスベスト除去・解体事業の認可決定を2月13日まで待つという。2月17-18日インドを訪れるシラク大統領への贈り物にするのかな。
 2カ月にわたるノロノロ航海、インドから許可が下りなかったら、仏海軍基地のあるジブチにUターン?〈クレマンソー〉といえど何処で最期を全うできるかわからない。(君)









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