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Quartier まちの風景
—共同庭園—
地域住民が交流する場になっている。
パリには一戸建て物件など、ほとんど存在しない。自分の庭を持つのは夢の話か?いや、解決策はある。会費を払い、他の住民と庭を共有する「共同庭園」 だ。2001年の市議選で左派連合が勝利したのを受け、市は市民団体が運営する庭園の発展に、積極的に力を貸すようになった。エコロ志向も追い風となり、目下、共同庭園は静かなブーム。現在、市公認の庭園は28カ所を数える。
今回は、19区の庭園「セール・オ・レギューム」を訪れた。冬なので花や野菜の鮮やかな色は見えないが、子どものころに遊んだ空き地を思わせる土色の空間が、HLM(公団住宅)の狭間に広がっていた。案内役のフランソワさんは、ここで定期的に小学生に庭仕事を指導する。「今日は寒いから、子どもの集まりが悪いなあ。野菜が採れる
6〜8月はもっと賑やかだよ」。二人きりの生徒を前に、ちょっとご不満そう。ここではどんなものが収穫できるのだろうか。「たくさんあるけど、特にトマト、ラディッシュ、フランボワーズが美味しかった。化学肥料は入っていないから、香り高くて味が濃いんだ。無農薬、有機栽培に徹底してこだわっているよ」
数年前まで、この土地もHLMが建設される予定だった。10区のヴィルマン公園における建設反対運動と同様に、19区の住民も、「高層住宅はたくさん。必要なのは緑地」と訴え、立ち上がる。市民団体がパリ市に請願書を出したのが98年。市から無事認可を受け、02年より庭園の活動が開始した。「共同庭園の人気は上々。今では会員になるため、長いウェイティングリストを覚悟しなければならない」。隣の畑では、年配の女性がクリスマスツリーと案山子(かかし)の飾り付けをしている。それを目を輝かせ見つめる子どもたち。「庭園は年齢、国籍、階級を越え、住民が出会う交流の場としても機能している」という言葉にうなずく。共同庭園がパリジャンを惹きつける理由の一端を、突きとめた気がした。(瑞)
●パリ市共同庭園に関する情報
http://www.paris.fr/portail/Parcs/Portal.lut?page_id=5683
●La Maison du jardinage(園芸の家)
毎月1回土曜日、園芸のプロを囲んで意見交換する「Cafe jardins」が開催される。園芸好きが集まる人気の会。参加は無料。また園芸講習も定期的に実施される。01.5346.1919/01.5346.1930。
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