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食卓を囲み、楽しく作りながら味わっていく。
raclette
 スキーのあとは、栄養価もカロリーも満点で、チーズ・フォンデュの一種、サヴォワ地方の名物料理ラクレットが一番だ。食卓でみんなでにぎやかに作りながら味わえるということもあって、ラクレット用のセットを持っている家庭がどんどん増えている。この料理に使われるチーズも〈raclette〉といい、すでに切り分けられたものがスーパーなどでパックになって市販されている。チーズ屋で塊のまま購入した場合は、厚さ5ミリ、名刺大の大きさに切り分ける。皮もおいしいので絶対に取りのぞかないこと! 一人分として100グラムから150グラムはほしい。
 溶けた熱いチーズをかけておいしいものは、ジャガイモ。新ジャガを皮ごとゆでる。ブロッコリーも熱いチーズとの相性がいいので、切り分けてから固めに塩ゆで。これに予算に応じて、ジャンボン・ド・パリというふつうのハム、薄く切った生ハムやサラミなどを大皿にきれいに並べる。ちょっと高いけれどスイス名産の牛の乾燥肉〈グリゾン〉も仲間に加えたら、文句なしだ。他にも、チーズの味を引き立ててくれる小タマネギの酢漬け、コルニションなども忘れずに食卓に出したい。栄養のバランスをとるためにトマトやレタスのサラダもほしい。
 すべての材料を食卓に並べ、ラクレット器の電源を入れれば準備完了。取っ手付きのテフロン加工の小皿に、各自ラクレットチーズをのせ、それが熱くなって溶けたらジャガイモやハムにかけていくだけだ。とろりと溶けた熱々のチーズとほくほくのジャガイモの組み合わせ、そのおいしさはちょっと比べるものがない。コショウやクミン少々を振りかけて食べてもうまい。チーズもラクレットだけでなく、モルビエとかルブロションを使ってもおいしくできる。
 ワインはコット・デュ・ジュラの白、軽く上品な風味のアルボワの赤かな。(真)

ラクレットチーズ500グラム前後、ジャンボン・ド・パリ、バイヨンヌ産などの生ハム、サラミ、グリゾンなど予算次第で適量、小タマネギの酢漬け、コルニション…

●ラクレットの道具
 雪に閉じこめられてしまう長い冬の間、サヴォワやスイスの山地に住む人たちは、チーズを暖炉の火にかざし、チーズの切り口の表面が熱くなってとろけてきたところを、ナイフで削りとってジャガイモにかけて食べていた。それがラクレットraclette。この名称は「こそげる、削りとる」という意味の動詞raclerからきている。
 上のタイプは、暖炉の火を電熱コイルに置き換えたもの。スキー場でラクレットチーズを丸半分(といっても6人分くらい)買った時に無料で貸してもらったのもこのタイプだった。とろりとしてきたチーズをかわるがわるに削りとっていく。
 最近は、このタイプに人気が集まっている。一人一人にチーズを溶かすための小皿が割り当てられるから、マイペースで食べていくことができる。その小皿に、たとえば生ハムなどを置き、その上にラクレットチーズをのせることもできる。テフロン加工だから洗うのも簡単。6人用のセットで60ユーロくらい。

●グリゾン viande de grison
〈グリゾン〉は、スイスアルプスのグリゾン地方で作られている乾燥牛肉で、イタリアの〈ブレサレオ〉の親戚だ。牛肉の中でも極上の部分を、1カ月ほどアルプス地方の香草と一緒に塩漬けしてから、時間をかけて乾燥させたもの。最後に、切り口が長方形になるようにプレスされ、味がさらに深くなる。できあがりの重量は、塩漬け前の重さの半分。他の生ハム同様にできるだけ薄く切ってから味わうのだが、パサパサにならないように、食べる30分前くらいに肉屋で切ってもらって買ってくる。 高いものだから恥ずかしがらずに好みの枚数だけを頼むこと。
●Dattes fourrees
 わが家では年末から年始にかけてナツメヤシのアーモンドあんこ詰めを作って、招いた友人たちなどにに配ることにしている。スーパーなどで、ピンクや薄緑などパステルカラーのアーモンドあんこpate d'amandesの包みをいくつか、それに黒いナツメヤシの実dattesを買ってくる。ナツメヤシを二つに割って種子を出す。アーモンドあんこを一口大に切り分け、手で丸めて、ナツメヤシの実でサンドイッチすればできあがり。クルミの実ではさんでもいい。甘党にはたまらないティータイムのお供だ。(真)

F R O M A G E
●Reblochon
 574号でカリフラワーを使ったタルティフレット(ふつうはジャガイモ)を紹介したけれど、この料理に欠かせないチーズがルブロション。カリフラワーやジャガイモあるいはベーコンにとろりからみついたルブロションのおいしさ! サヴォワ地方の山地の香り高い草を食べている牛の乳から作られるルブロションは、もちろん食後のチーズとしても絶品だ。
 熱は加えないが、圧力をかけてやや固めに作ったタイプのチーズpate pressee non cuiteだ。今回のレシピで使ったラクレットだけでなくモルビエ、カンタルなど、保存がきくこともあって、このタイプのチーズは数多い。
 ルブロションは1個500グラム前後のチーズで、バラ色がかったクリーム色の皮はうっすらと白カビにおおわれていて、キノコや藁のような匂い、身はしなやかな弾力性があり、一口頬ばると、クリーミーでまろやかな風味が広がる。チーズに慣れていない人にもおすすめ。 ワインはサヴォワ地方の白。ボージョレも合う。(真)


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