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ナンシーへ。スタニスラス広場がリニューアル。
建築の大胆さに圧倒されるアール・ヌーヴォーの町。

  「町全体がアール・ヌーヴォーの美術館みたい」。出発前、そんな友人の言葉を聞き、旅のテーマは即決した。スタニスラス広場にある観光局に行き、アール・ヌーヴォー(以下A.N)観光用の地図を入手する。まずは市の南西にあるA.N作品を集めたMusee de l'Ecole de Nancyへ向かう。
 広場からは、St-Jean通りやFoch大通りを通って行ったのだが、途中A.N建築物にたくさん出会えた。特にクレディ・リヨネ銀行は、内部のガラス天井が美しかった。途中さまざまな扉の写真を撮りながら30分以上歩き、ようやく美術館に到着。

ここはもともとA.N作家らのパトロン、コルバン氏の邸宅だった ところ。食卓や寝室などが再現され、生活の中で輝くA.N家具が見られる。私は2階の寝室で、椅子に腰掛けしばしぼんやり。花弁を思わすランプの光の下、自然の世界が持つ優しい曲線が、家具の影となり広がっている。こんなベッドなら、自然の囁きに包まれ、さぞかし良い夢が見られそう。
 それから再び広場まで戻り、観光局で予約していたA.N建築を巡るミニバスに乗り込む。バスは、重要建築と誉れ高いベルジュレ邸、ソリュプト公園界隈の家の数々、マジョレル邸などを1時間で巡る。どの邸宅も建築の大胆さに圧倒されるばかり。これらの建物は中心地から離れて点在するので、健脚自慢の方以外は乗り物に頼るのが得策。ただし私が利用したミニバスは、バス内からしか見学できないので、自分のペースで見学したい人には、貸自転車がおすすめ。
 次はMusee des Beaux-Arts de Nancyへ。お目当ては、地下にあるドーム・コレクション。エミール・ガレらとともに、A.N運動の推進力となったドーム兄弟の製造所によるガラス工芸品が展示されている。私は、花瓶やランプの幽玄さにたちまち引き込まれる。ここは15〜17世紀の城塞跡が、そのまま展示会場という贅沢さ。遺跡に額をつけるとひやりとして、夏の暑さを少しだけ忘れられた。(瑞)

特集目次
建築の大胆さに圧倒されるアール・ヌーヴォーの町。
鉄のゲージツとおいしい菓子&料理にうっとり。
音楽にも革新的な姿勢。
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