●Torremolinos 73
売り上げ不振に肩を落とす百科事典の戸別訪問セールスマン、アルフレッド(ハビエル・カマラ)。ある日会社から、型破りな新商品開発を持ちかけられ、生活苦から愛妻とともに引き受けるはめに。それは科学の名を隠れ蓑にした自作自演のポルノ映画製作だった。
撮ることに憑かれた監督というのは、いつでも映画の魅力的な被写体。近作では『ライフ・アクアティック』、『Cineaste a tout prix』などが、ある微笑ましさをもって思い出される。本作の場合は、次第に撮影の魔力に捉えられる男のエド・ウッド的映画愛、そして少々ズレ気味カップルの夫婦愛が微笑ましく、最後には彼らにすっかり情が移ってしまう。パブロ・ベルヘール初監督作品。(瑞)
Javier Camara
面白い映画が彼を選ぶのか、彼が出るから映画が面白くなるのか、答えはその両方。ハビエル・カマラは、現在、間違いなくスペイン映画を豊かにしている立て役者の一人だ。
1967年1月19日、ラ・リオハ州生まれ。23歳で俳優を志し、首都マドリッドへ。フィガロ劇場で駐車係をしながら、王立演劇学校で学ぶ。93年、自らの劇団を旗揚げ。その後TV、映画に進出。TVシリーズ『Siete Vidas』で国民的スターとなる。
俳優としての転機はペドロ・アルモドバル監督との出会いから。従来のTVでのコミカルなイメージから一転、昏睡状態の女性を献身的に世話する看護士べニグノを演じることに。本作は、メロドラマの傑作『トーク・トゥー・ハー』(01)となり、世界中の観客の涙を絞ったのは周知の通り。03年、『バッド・エデュケーション』で再びアルモドバル組に参加。チャーミングなドラッグ・クィーン役で、映画史のカメレオン的名怪優の系譜に名前を刻んだ。行く末はジョン・マルコビッチ? その他の作品に、『Lucia y el sexo』(01)、『Manifesto』(03)、現在公開中の『Torremolinos 73』など。また自ら短編映画を手がける多才な面も。9月には、ティム・ロビンスと共演のイザベル・コヘット監督『The Secret life of words』が公開される。(瑞)
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