シャーロット・ランプリングは、いかにもモデル出身の冷たげな美貌が年とともに氷解し、まさに今が飲みごろの熟成ワインのよう。公開中の映画『Lemming』では、彼女の暴力的な闖入者ぶりが、物語に怪しい影をじっとり落としている。
1945年イギリス出まれ。父は陸軍将校、母は画家。思春期にはフランスのフォンテーヌブローに住んでいたことも。64年にリチャード・レスター監督の『ナック』で端役デビュー。類い稀な美貌と語学力で、ヴィスコンティ、カヴァーニ、リプステイン、アレン、ルメット、大島、セローらの作品に参加。特にナチ帽と裸の胸にサスペンダー姿で踊った『愛の嵐』(74)や、チンパンジーを愛人に持つ大使館員夫人に扮した『マックス、モン・アムール』(86)で世界に衝撃を与えた。エロチックなしゃがれ声は、どこか狂気や不道徳への境界をさまよう姿によく似合う。
80年代半ばから仕事が停滞するが、夫を失った中年女の葛藤を綴った『まぼろし』(00年)の大ヒットで完全復帰。実生活で母と姉を同時に失った経験のある彼女が本作に込めた思いは計り知れない。『まぼろし』の監督フランソワ・オゾンとは、『スイミング・プール』(02年)でも再びコンビを組む。現在、ハリウッド大作である『氷の微笑2』と、ローラン・カンテ作品『Vers le sud』の準備中だ。(瑞)
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