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Nicolas M.
学生。20歳。
 ニコラさんはブルターニュ出身の20歳。チーズ屋さんでアルバイトをしながらバイオリンを学んでいる。
地下鉄の広告は横暴だ。僕らには
 彼は「自分たちの価値観を操作している」地下鉄の広告に納得がいかない。地下鉄構内の広告にペンで意見を書いたり、反広告運動が組織化されてからは2回、広告の「被覆recouvrement」(見る側によってはラクガキ)をした。昨秋から冬にかけて反広告「活動家」たちは4回、日時を決めて地下鉄の広告を被覆。これに対してRATP(パリ交通営団)は機動隊や警察を出動させ、約百人を訊問、そのうち62人を大審裁判所へ召喚した。ニコラさんはそのうちの一人。12月19日、ペンキとハケを持って地下鉄のホームへ下りたところを警察に検挙された。
 3月10日から裁判が始まった。RATPは62人に対して損害賠償92万2千ユーロを要求している。この金額は昨秋、約1万枚の広告が受けた損害としてRATPが決めたもので、62人の行為による損害には相当しない。62人のうち現行犯で検挙されたのが少人数であることも争点となっている。
 広告のあり方や性差別的広告について考える各種協会は、弁護士費用を集めるために募金運動やコンサートなど活動を開始(以下参照)。RATPも通常の広告の代わりに白い紙を貼って「自由表現の場」を提供するなど、両者の攻防が続いている。
 「公共の場を使って、人の心理や感情に繰り返し訴える広告により一方的に人心を操作することが民主主義の社会で許されるのか。子どもは特に影響を受けやすいと思う。一市民として、この横暴に返答する権利があるし、その権利を要求したい」とニコラさん。
 三人の兄妹とともに、学校には行かず、法律関係の仕事をしつつ農業を営む両親や家庭教師に教育を受けた。自由だが、自分の正しいと思うことを責任を持って行うことを教わった。広告の代わりに何を望みますか? 「自由な表現の場。あとは色々な協会の活動の宣伝」。判決は4月28日。(美)



●「62人」支援イベント
62人の弁護士費用を集めるためにパリで展覧会やコンサートが行われている。これからの予定は:
4/13 Studio des Islettes(01.4261.8990)
4/15 Sentier des Halles (01.4261.8996)

Les Trois Chapeaux

 ニコラさんはオーベルヴィリエに住んでいることもあり、パリの北部で遊ぶことが多い。「活気があって、安く楽しめる」。彼の一番のおすすめはメニルモンタンの丘の上にある、三つのシルクハットの看板が目印の "Les Trois Chapeaux"。
あなぐら風のざっくばらんな店内で、毎晩9時半からの生演奏が聞ける。ビール、白・赤ワイン、ミントティーなど2ユーロから。店名は先代のオーナーが、出身地のユーゴスラビアの有名な劇場の名前からとったもの。今はシルクのスカーフがシックなアルジェリア出身のマクルフさんが舵を握る。ろうそくの灯ったテーブルでタジンを食べるのもいい。(美)


48 rue des cascades 20e 01.4636.9006 
18hから(月休)

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