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万聖節、墓地をたずねる。
写真を身分証明書からはがしたためか、墓碑の写真の隅に穴があいている。
万聖節が近づくと花屋に菊の植木鉢が並ぶ。
訪れる人もなく荒れ果てた墓。
これがオートバイ事故で亡くなった20歳の青年の墓碑。  
11月1日の万聖節は、フランスでは墓参りの日。この日が近づくと、墓地脇にきまってある花屋にも菊の植木鉢が並んで、華やかな色合いになる。この日に限らず、ボクは時々、自分が住んでいるパリ郊外の町の墓地を訪ね、一つ一つの墓が秘めている話をのぞき見る。
日本だと「…家代々之墓」で終わりだが、フランスの墓には、亡くなったそれぞれの人への小さな墓碑が置いてあり、そこから、残された夫や妻、子どもたち、あるいは両親の気持ちを読みとることができる。あるいはそんな墓碑も割れてしまい、プラスチックの造花がすっかりホコリにまみれてしまった墓もある。諸行無常です。 
20歳でオートバイ事故で亡くなった男性へ友人たちが贈ったという墓碑に見入っていたら、60歳くらいの男性が近づいてきた。「息子の墓です。こんな歳で思い残すことも多かったと思うけれど、こうやって置いてきぼりにされた親も辛いものです」(真)

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